航海第五日目 地獄
(平成11年9月14日〔火〕晴れ)
昨日、私たちの前に現れた黒い肌の男たち。彼らは地獄の鬼であった。鬼たちは新入りの私と脱走犯の
そういう理由で私と角川師は熱い溶岩の鍋の中でグツグツといい具合に茹でられている。いい加減、意識を失ってもいいようなものだが、一向にその気配はない。やはり、地獄というだけあって苦しみ続けるようになっているらしい。
しばらくして、「エンマ大王」という言葉を聞いた気がした。もし、閻魔大王が来たのなら、私などは舌を抜かれることは必至だ。
私は上手く“お鍋グツグツ地獄”から逃げ出すことに成功した。ふと、振り返ると、角川氏が閻魔大王に舌を抜かれた後、小山ほどはあろうかという大男に食べられているではないか。私は角川師には悪いが、無事だったことを喜んだ。
しかし、地獄には無事とか安心とかいう言葉はない。私の目の前には、広大な針の山がある。戻ると、
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