第13話 広まる真実

次の日、一樺は紗理那と一緒に登校していた。すると一樺は周りからの視線にため息を吐いた。紗理那は「一樺……なにか見られてない?」と一樺に問いかけた。その問いに一樺は「あー……なんでだろうね……」と少し誤魔化しながら教室へ向かった。



教室に入った2人にクラスメイトの視線が刺さった。するとクラスメイトのひとりが「皐月さん!マリア様の口付けがあるのほんと!?」と少し驚きながら問い詰めた。一樺はその言葉を聞いたあともう隠すのは無理だと悟り「う……うん。隠しててごめんね……?」と告げればクラスメイト達は「う……羨ましい!」や「謝らないでよ!」と告げた。紗理那も「そういや一樺頑なに大浴場使わなかったよね。いつも部屋のお風呂入ってたし」と一樺に聞けば一樺は頷き「う……うん。一応ね……」と告げて席に座った。暫く一樺はクラスメイトたちと話していれば教室のドアが開き、教師が入ってきた。

クラスの1人が「先生、まだチャイムは鳴ってませんけど……」と言えば教師は「これから礼拝堂に行きます。少し距離があるので今から行かないと」と告げた。紗理那は一樺に「礼拝堂だって……この事聞いてた?」と問いかければ一樺は緩く首を横に振り「ううん……何も聞いてない。多分不定期にあるんじゃないかな?」と答えた。その言葉に紗理那は少し納得した表情浮かべたあと立ち上がり「じゃあ早く礼拝堂行こ」と笑みを浮かべながら言った。その言葉に一樺やクラスメイトが頷けば教師に言われるまま廊下に並び案内されるように礼拝堂へ向かう階段を降りていれば他クラスの生徒と目が合うとその生徒は目を見開いた。一樺はその表情に苦笑を浮かべたあと生徒から目を逸らし自分のクラスメイトと話した。その他クラスの生徒の前を通り過ぎる途中「ねぇ……あの子がマリア様に……」「そうそう……本当なのかな……」

「でもクラス分けのテストの時凄い魔法見せてたよね……」「確かに……」といったコソコソと話す声が一樺の耳に届いた。一樺は軽くため息を吐き『クラス分けのやつはたまたまなんだけどね……』と内心考えていた。

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