第11話 カフェテラスでの騒動と昼食

2人は午前の授業を終え、カフェテラスへとやってきていた。そこは天井が高く、窓からの光や、天窓から降り注ぐ太陽の光でとても明るい空間だった。一樺たちはカウンターでメニューを見ながら「どれにする?」「あっこれおいしそう」と話していた。

「紗理那はどれにする?」

「んー……悩んでる。一樺は?」

「んーと……あっ私これにしようかな。トマトクリームパスタ。」

「あっ美味しそう。私もそれにする」とやり取りを終え、カウンターで注文し、番号札を貰って2人は席に座った。


「それにしても賑やかだね。他のクラスの子も居るみたいだし」

「そうだね……Sクラスは他のクラスと離れてるからどんな子が居るか分からないもんね。」そう話していると、Cクラスの生徒数人が話しかけてきた。「貴女たちさっきSクラスって言った?」「大した魔法を使わないでSクラスに入るなんて……ずるいわよ!」そんな言葉に一樺と紗理那は顔を見合せ瞬きしたあと紗理那が「実力でしょ」と短く告げた。一樺は少し悩んだあと「貴女たちはSクラスに入りたかったの?」と問いかけた。すると生徒たちは「そうよ……!Cクラスなんかじゃお父様たちに顔向け出来ないじゃない!」と叫んだ。紗理那はその言葉に「そんなの知らないわよ。」と短く告げて生徒たちを見つめた。一樺は小さく息を吐き「まぁ……紗理那の言いたいことも分かるけど……不服なら先生に言えば良かったんじゃない?」と答えた。その言葉に生徒の1人は顔を赤くさせ「う……五月蝿いわよ!」と告げて一樺を叩こうとした。するとバチッと音を立て叩こうとした生徒は倒れた。

「一樺それ……」

「これnoir fantasiaでおまけしてもらったの……本当に役に立っちゃった……」一樺はアンナから言われた通り、常にネックレスを身につけていた。そのネックレスの効果、【加護】が働き一樺は叩かれずに済んだ。倒れた生徒は起き上がり「こ……校則違反よ!魔法を使うなんて……!」と告げたあと取り巻きの生徒も「そうよ!せ……先生に言ってやるんだから!」と騒いでバタバタと逃げるようにその場から離れていった。その様子に呆気に取られた一樺は「……この事先生見てるはずなんだけどね」と呟けばようやく頼んでいた昼食が届き2人は少し息を吐いてから「「いただきます」」と呟いて食べ始めた。

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