第10話 防衛魔法

最初の授業を終えクラスメイトと話していれば次の授業を知らせるチャイムが軽やかに鳴った。すると勢いよく教室のドアが開けられ男の教師が入ってきた。「ほら次の授業始めるぞ席につけ」といった教師の言葉にクラスメイトらは慌てて自分の席へ座った。クラスをちらりと見たあと「よろしい。では今から防衛魔法についての授業を開始する。」と告げた。



「まず防衛魔法とは闇の魔法に対しての防衛魔法、そして攻撃魔法から身を守る防衛魔法の二つがある。攻撃魔法に対しては簡単に言うとシールドのようなもの。闇の魔法に対しては闇が嫌うとされている光属性の魔法を使うことで防衛となる。」と淡々と授業を進める教師の声を聞きながらノートへ書き込んでいく音が教室に響いた。すると、「実際にやった方が早いな……如月。前へ」と教師が言えば紗理那を呼んだ。紗理那は一瞬目を見開くも「はい」と返事をして前に出た。「今回は攻撃魔法に対しての防衛魔法をやってもらう。」その言葉に紗理那は頷き杖を取り出した。「よろしい。では始める」その言葉と共に教師は詠唱を始めた。『炎よ我が敵を射抜く槍となれーフレイムランビリスー』それに合わせるように紗理那も詠唱を始めた。『氷の精霊よ我が周囲に忌々しいものを拒絶する結界を今ここに!ーアイロクスー』紗理那も詠唱が終われば教師が放った炎の槍が紗理那の氷の壁によってかき消された。教師はそれを見たあと笑みを浮かべ「よくやった。戻っていいぞ如月」と告げ、紗理那もそれに頷き席へ戻った。「紗理那凄かったよ流石だね」と一樺が紗理那に告げれば「ありがとう一樺。」と笑みを浮かべながら紗理那が言った。


「このように相手が放つ魔法を読み取り防御すればそれだけで反撃のチャンスにもなる。よくおぼえておくように」 そう告げたあと終了を知らせるチャイムが鳴り響き、「今日はここまで。」と教師は短く告げ、教室を出ていった。


「つっかれたぁ……紗理那。お昼食べに行こうよ」

「そうだね。テラスに行こっか。」そうやり取りをした後2人は財布を持って昼食を食べに学内にあるカフェテラスへと向かった。

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