第9話 初めての授業

次の日、一樺はカーテンの隙間から漏れる太陽の光で目が覚めた。隣で寝ている紗理那を見たあと壁に掛けられている時計を見れば針は起床時間より少し早い6時をさしていた。それを見た一樺は『……ちょっと早いけど準備しとこうかな』と考えベットから起き上がり洗面台で

顔と歯を洗い髪を整えれば軽く伸びをした。


「……よし完璧」一樺は制服に着替え洗面台に付いている鏡で確認したあとそう呟いた。するとカタンと音がして一樺が洗面台からひょこりと顔を覗かせれば紗理那が目を擦りながらベットから起き上がっていた。一樺はくすりと笑みを浮かべ「おはよう紗理那。寝癖ついてるよ」と紗理那に告げた。紗理那は伸びをしながら「おはよう一樺……」と眠たげな声で言えば大きな欠伸を漏らしふらふらしながら洗面台へ歩いてきた。


「着替えと準備終わったら食堂行こ」と一樺が言えば紗理那は顔を洗い歯を磨き終えれば「了解」と短く答えれば髪を整えいつものように片方の目を隠してから2人で食堂へ向かい朝食を食べて学校へ向かった。




教室へ入ればクラスメイト数人が「おはよう」と笑みを浮かべながら言った。その言葉に一樺と紗理那は「「おはよう」」と答え席に着いた。

「皐月さん最初の授業って何かわかる?」

「えっと……確か五大要素についてだった筈だよ。」クラスメイトの1人とそんなやり取りをしていればチャイムの軽やかな音が教室に響いた。その音を聞けば話しかけてきたクラスメイトは自分の席に座り黒板の方を見ていた。



暫くしてガラリと教室のドアが開き、教科担当の教師が入ってきた。「おはようございます。じゃあ早速授業を始めましょう。」その言葉が合図のように生徒たちは「よろしくお願いします」と教師に告げた。教師は笑みを浮かべ口を開いた。


「では初めての授業は五大要素について。まず五大要素とは火、水、風、地、空に分かれている事は皆さん知っていますね?これは個々の魔力を大まかに部類分けしたもので、規則性はありません。この5つの他に無属性……つまりどの属性にも属さないものもあります。」教科書を見ながら授業を進める教師を見ながら一樺は『ここパパに教えてもらったなぁ……基礎知識だからなんとかって……』と考えながら授業を聞き流していた。

「では次、五大要素の派生について。皐月さん。水の派生はなんでしょう」

「氷です。主に氷や冷気を操り火の属性とは相性が悪いとされています」

「正解。その通りです。」そんなやり取りをした後暫くしてから授業終了のチャイムが鳴った。

「お疲れ様でした。次は……防衛魔法についての座学ですね。皆さん頑張ってくださいね」 そう告げて教室のドアが閉まればクラスはザワザワと賑わいを戻した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る