第6話 愛央とたっくんと体育祭!フレフレ!!たっくん!

5月20日の土曜日、時刻は朝4時、普段はまだ寝ているこの時間にうちは起きてしまった。あいちゃんは寝ている時に布団がかかっていないことがある。そんなときはあいちゃんをうちのベッドに寝かせてあげるの。ところでうちの最推しことお兄ちゃんのたっくんは相変わらず朝が早く、うちが起きた時点で台所にいた。はっやーい。


あお「(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡」

たく「どしたー。いきなりー」

あお「体育祭、大丈夫?」

たく「大丈夫なわけ」

あお「・・・うち、お風呂入ってくる。そのあとたっくんを応援してあげる。絶対勝てるように」


うちはそう言ってお風呂に行った。乙女はスキンケアも大事ですっ!


お風呂から出てうちは服を着て、メイクをした。一応メイクは校則違反じゃないので、あまりにも派手じゃない限りは可愛いメイクができるのっ。それからあいちゃんを抱っこしてたっくんのところに行った。その時・・・。


あい「きゅぴ・・・」

あお「起きた?」

あい「あーお?」

あお「おはよっ!」

あい「あい!ぎゅー」

たく「グズらなくてよかった。あいちゃーん。ごはんだよー」

あい「はーい!」


あいちゃん、徐々に言葉を覚えてる。うちは喜びつつ、たっくんにこういった。


あお「たっくん、髪作って」


そう言うと、たっくんはすぐにハーフアップの準備をしてくれた。今日はふさふさのいつもより可愛いハーフアップを作ってくれた。


あお「今日は体育祭。絶対たっくんを勝たせたい!」

たく「んな意気込むなって。どうせ負けるんだから」

あい「きゅぴー!きゅぴらっぱー!」


あいちゃんは不思議な力を出してうちの膝の上に乗った。小さな手の上には、チアのリボンがあったの!


あい「あい!」

あお「これは、チアのリボン?」

あい「きゅぴ!」

たく「ヘアゴム付きか・・・。さすがあいちゃん」

あい「へへぇ。たったー、だっこー!」

たく「乗っかりな」

あい「きゅぴぃ!」


あいちゃんの小さい手の上にあったチアのリボンはたっくんが細いゴムで作ってくれたハーフアップの上につけてくれた。なんか今日のうち、かわいすぎる。


たっくんはリボンをつけると、すぐにお昼のお弁当を作りはじめた。あいちゃんはたっくんの頭の上でいい子にしてる。うちはポンポンを持って、たっくんの応援練習をやっていた。


あお「フレーっ、フレーっ、たーくーみーんっ♪」

たく「朝から弁当作ってるのに練習ですかぁ?」

あお「だって体育祭じゃん!うちはチアで応援するんだよ!」

たく「だけんが負ける確率はおよそ85%」

あお「大丈夫だよ!・・・がんばれっ。たっくんならできるから」

たく「お、おう・・・」


うちは金色のポンポンを振って、弁当を作るたっくんを応援していた。体育祭の応援練習にもなるし、何よりたっくんに甘えることができるもん!


あお「たーっくん♡」

たく「(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡ってか?」

あお「うん!」

たく「もうすぐ出るんだから準備せぇって」

あお「やーだ。たっくんにぎゅーしたいもん」

たく「あっそ」


たっくんはそう言ってかばんを持ち、あいちゃんを抱っこして外に出た。弁当を作り終わってから、家を出るのが早い。しかも歩いて学校に行くのかなと思っていたらたっくんはバス停で止まっていた。なんでもおじさんがもうすぐ来るって言うから、バスで行こうと考えたんだって。なんでも1時間に1本、方南高校止まりのバスがあるらしく・・・。


あお「方南高校行き?こんなのあったの?」

たく「今日改正日だよ。プレス読んでない?」

あお「よんでない・・・」

たく「まいいや。って、は?方南高校行第一便、うちのおじさんやないか」

あお「え!?」

紅野「おまたせしました方南高校行です」

たく「おはようございまーす」

あお「おっはー!ふふっ」

あい「きゅぴー!」

紅野「おはよう。あれ、土曜日だよね?」

あお「今日ね、体育祭!うちがチアリーダーで、たっくんが選手なの!」

紅野「そうなのね。ちょっと時間あるし、あいちゃんを座らせてあげよう」

あい「あーいー!」


そうおじさんは言ってあいちゃんに色々見せてあげていた。あいちゃんはとっても喜んでいたの!


あい「あーちょ!」

たく「ありがとうだって」

紅野「どういたしまして。あ、じゃあ動くよ」

たく「おっけー」

紅野「お待たせしました発車します」

たく「俺編集やらなきゃ」


そう言って中ドアを閉め、バスを走らせた。うちはあいちゃんと外を見てたけど、たっくんはなんかスマホをいじってた。


たく「これ621Aのはずだから」

あお「12時には上がり?」

たく「だった気がする」

紅野「あがりは12時だよ。体育祭観に行く予定だし改正後も621Aのままだったからそれにしてもらったんだよ」

たく「へーそうなんだ」

紅野「次方南高校だよ」

たく「あ、降りる。先320円置いとく」

紅野「ありがとね。体育祭いっておいで」

あお「午後来れる?」

紅野「もちろん。行く予定だよ」

たく「うっわーまじか。じゃあ用意しときますわ」

紅野「りょーかい。じゃあね」

たく「はいどうもー」

紅野「お待たせしました。(天川)大野駅経由方南車庫行きです」

 

それからたっくんとバスを降りて、そのままグラウンドへ。たっくん、すごい準備してる。


あお「たっくん♪」

たく「やっぱ横に来たか」

あお「うん!」

たく「勝てるかな・・・」

あお「大丈夫。うちと瀬奈、あかの3人で応援するからね!」

たく「待った。どういうことだ」

あお「瀬奈たちとね、応援しよって。たっくんが頑張るっていうから。だからうちらでポンポン振ってたっくんたち紅組を応援するの!」


うちはそう言ってたっくんに(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡たっくんは楽になったのかな。


あお「どう?」

たく「うん。ありがとな」

あお「ふふっ。がんばれっ。おにいちゃん」

あい「きゅぴ!」

あお「あいちゃんも応援するの?」

あい「あいたんたったーといるきゅぴ!」

あお「じゃあ私もっ!」

たく「ばか!来んな!」


あいちゃんとたっくんは2人で選手席にいた。うちは応援団用の席に座ってたけど、たっくんは時々うちや瀬奈たちに色々持ってきてくれた。


あお「んー!少し休憩だね!」

たく「お疲れちゃん。ったく、1.5時間声上げてたらきついだろほれ。食え」

明里「ありがとうございます!」

瀬奈「うちら、たくみさんたちが勝てるように一生懸命応援しますね!」

たく「愛央、おいで」


たっくんはそう言って自分の席に戻っていった。うちはポンポンを持ったままたっくんについていったの。


あお「なぁに?」

たく「あいちゃーん。お姉ちゃんだよー」

あお「あいちゃーん!」

あい「きゅぴー!」

あお「可愛い〜!」

あい「あおー、ごはんー」

あお「うん!」


たっくんは色々用意してたの。すっごい。うちはあいちゃんにご飯をあげて、応援席に戻ったの!


あお「つぎはたっくんの出る競技だよ!」

たく「あおー」

あお「なにー?」

たく「あいちゃん。熱中症になっちゃったら大変だから連れてきた」

あい「あーい!」

たく「あいちゃんさ、お姉ちゃんと応援してくれる?」

あい「あい!」


うちはあいちゃんに赤くて小さいポンポンを持たせてあげた。お兄ちゃんの応援だもん、2人で可愛く応援しよっと!


あお「がんばれー!たっくーん!」

あい「きゅぴー!!」

たく「愛央・・・あいちゃん・・・」

あお「せーの!」

瀬奈「たくみさん!ふぁいとー!」

明里「頑張ってください!」

あい「きゅー・・・」

あお「あいちゃん?」

あい「きゅぴらっぱー!」


あいちゃん、魔法を体育祭でも使っちゃうなんて。そして結果が一位!?えっ!?


あお「あいちゃん・・・」

あい「きゅぴー!」

たく「あいちゃん、ありがとね」

あい「たぁ!きゅぴぃ!」

たく「つかこんなんありかよ・・・」

あい「あい!あい!」

あお「よかった・・・!」


たっくんにまだ笑顔は残っていた。うちはその姿を見れただけでも嬉しくて、たっくんに(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡しちゃった。


あお「いつ逆転されてもおかしくないね」

たく「愛央たちが応援するからどうにかなる」

あお「たっくん・・・♡」

紅野「お疲れちゃーん」

たく「おじさん!?早くね!?」

紅野「15分早く上がれたんだよ。だから早く来れたんだ」


もうすぐお昼というところでおじさんが到着!うちらはそのままお昼にしたの!


放送「午後の部は13時25分から開始となります。選手の皆さんは時間に合うように戻ってきてください」

あお「たっくん、お疲れ様!」

たく「日焼け止め切らしてないよね?」

あお「うん。でももうすぐ無くなりそう」

たく「予備持ってきたからこれ使いな。愛央の白い肌が焼けちゃったら可愛そうだし」

あお「たっくんすきっ!」

たく「じゃお昼にするべ」

あお「おー!」


先にあいちゃんへミルクをあげて、うちらはご飯にしたの。あいちゃんはうちのポンポンで遊んでた!


あい「きゅぴぃ・・・」

たく「眠そうだな・・・教室で寝かせる?」

あお「んー。でももう少しで終わりだし・・・」

たく「俺が出るのあと一種目だしちょっと散歩すっか」

あい「あーいー?」

あお「愛央も!」

たく「自販機行って飲みもん買うべ」

あい「あい!」

あお「うちもー!」

たく「おじさんは?」

紅野「俺はコーヒーでいいよ」

たく「おっけぇ」


お昼の休憩を終えて、たっくんはうちにはちまきをつけさせてくれた。朝からチアのリボンを付けてたから、ちょっと気分転換かも!


あお「どう?」

たく「可愛いじゃん。愛央っぽい」

あお「ありがとっ。たっくん、がんばれっ」

紅野「ふたりとも写真撮った?」

たく「撮ってねぇや・・・」

あお「撮ろっ!」

あい「きゅぴぃ!」

紅野「いくよー。はい、チーズ」

たく「あざっす。どうかなー?」

あお「いい感じ!」


もう少しで体育祭が終わる。下手したら逆転かも・・・。でもうちは頑張って応援するの!


たく「リレーは最後だから俺2つかよ・・・」

あい「あーい?」

あお「たっくんならできる。うち、信じてるから」


うちはたっくんにそう言ってぎゅーってしてあげた。たっくんは頭を撫でてくれて、あいちゃんと2人で戻っていった。


結果は最後の最後で2点差。準優勝だった。でもたっくんは怒る余裕がなかったの。むしろ、あいちゃんが泣いてた。


あい「うわああああああん!!!!」

たく「よちよち、あいちゃんありがとね」

あい「きゅぴ・・・」

たく「あいちゃんと愛央がいたから俺は頑張れたんだよ」

あい「きゅ・・・」

たく「泣かなくていいよ。あいちゃんにおやつあげなきゃな」


うちはたっくんに(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡ってしてあげた。あんなに疲れてるのに。


家に帰ってくると、流石のたっくんでも疲れ果ててイライラしていた。どうなるかなぁ・・・。

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