第5話

ごおおおーーっ

バリバリバリバリバリバリッ


「「「「「「うわあああ?!」」」」」」

「「「「ハヒーッ!!」」」」


天地が鳴動し、雲が動き、竜巻が乱舞する。


キャバレーの客達が竜巻に巻き込まれ、泣き笑いしながらグルグルと目を回している。


二人の魔力がぶつかり合い、物理で天変地異が発生する。

こんな凄いの、見たことないよ!?

って、なんて迷惑な大家と悪らつ借り主なんだよ。


こんな凄い二人なら、ステイタスはさぞかし超人級なのかな!?

よし、ボクの鑑定魔法で二人のステイタスを覗いてやろう!



「ステイタス、オープン!!」



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名前▪▶テリア

年齢▪▶13歳

種族▪▶人間

容姿▪▶背丈145センチ▪銀髪▪碧眼▪透き通る白い肌▪国一番の美少女

魔力▪▶10万馬力

スキル▶卓球

称号▪▶異世界転性者(転生者)

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あらら、間違いで自身のステイタスを出しちゃったよ!?

まあ、いいや。

ボクも確認しておいた方がいいからね。


どれどれ、容姿?あ、国一番の美少女って、ここは喜ぶところなんだろうけど、中身がボクで無ければなぁ………


称号、異世界転性者か。


?ぶっ!?

転性者ってなんだよ、転性者って!

確かに前世からは転性しちゃったかも知れないけど、生まれてから性別は変わってないよ!

それにスキルが卓球って、前世の高校時代のスキルじゃない!?


ふうっ

溜め息ばかりが出る今日この頃っと、ん、流石に魔力は高めの10万って、やっぱりとんでもない数値なんだろうけど?ん?んん??

はあ?

ちょっ、ちょっと待ってくれよ!


何で魔力単位が馬力になってんだ!??

え、ボク、人間じゃないわけ?

は?


まさか?!

ボクは慌ててスク水を引っ張り、お腹を覗いた。


「…………はあああーっ、よかったぁ!!」

ボクは、スク水を元に戻し安堵する。


大丈夫!

お腹に切れ目は無いし、小型原子炉は搭載されてない!

良かったよぅ……



「でゅふ、でゅふ、でゅふ。まさかリアちゃんの【スク水V字コマネチ】が見れるとは!眼福がんぷく眼福がんぷく


「ぎゃっ!また、背後に現れた?本当に何者なの?それにコマネチは死語じゃない?!」


変態ロリコンフィギュアニストにしては、あまりに素早い。

いや、まるで瞬間移動テレポートしてないと説明がつかないほど、必ず背後に回ってるよ!?


「でゅふ、でゅふ、でゅふ」


いや、よけいな詮索は止めておこう。

いやな予感がする。


って、それより!

スキルが卓球って何なのさ!?

スキルって、何時からスキルが部活動になった訳??


ダメだ。

このステイタスボード、どこまで信用していいか分からない。



それより二人のステイタスはどうなってるんだ?

ピロンッ

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名前▪▶リッキー女子(リキエ▪ヨーデル)

生まれ▶カナガワ国ヨコハマ地方生まれ。

年齢▪▶333歳 (魔法少女)

容姿▪▶背丈178センチ▪腰までのツヤのある黒髪、黒目、色白の肌、容姿端麗。

種族▪▶魔神族

スキル▶彼氏いない歴年齢

職業▪▶大家オーヤ

称号▪▶アラサーの星

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名前▪▶ルーラ▪リヨンネル

生まれ▶サイタマ国トコロザワ地方生まれ。

年齢▪▶400歳 (妖精)

種族▪▶エルフ族

容姿▪▶背丈173センチ▪金髪ロング▪碧眼▪白人肌▪エルフ美人(本体)

容姿2▶背丈150センチ▪ボサボサ髪ロング▪背むし状態▪シワシワ悪顔のババア(呪)

スキル▶彼氏いない歴年齢

職業▪▶キャバレー経営

状態異常中◇偏屈ババァの呪い

称号▪◇アラフォーの星

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なんだ、このステータス!?

これ、ただの個人情報なんじゃ?

そもそも彼氏いない歴年齢って、スキルなのか?

それに称号が意味不明。

アラサーの星、アラフォーの星って何?

誰か教えて━━━━━━━っ!



「でゅふふ、大リーグタイフーンといったところだな。でゅふ、でゅふ、でゅふ」


「言ってる事全然分からないから?!」




ゴオオ━━━━━━ッ



「いやだわぁ、リッキーちゃん。こんなにお転婆したら、またお見合い失敗するわよぅ」


「アンタがソレを言うか~!!」



あ、大家のリッキーさん、なんか腰から長い剣を出したよ、オレンジに光ってってレーザーブレード!?


「大剣、雷剛剣!!」


「あらぁ、本気なのぉ。仕方ないわねぇ」


対して師匠、全く意にとめてない?

まさか、素手で戦う気?!



「うらあああっ家賃払えなきゃ、さっさと出てけーっ!」


わ!

リッキーさん、大きく振り上げたレーザーブレードを一気に振り下ろしたよ。

ヤバい!!


「師匠━━━━━━!?」





ガッキーンッ

「へ?」


「ば、馬鹿な!?」


な、何だ?

リッキーさんのレーザーブレードを両手が空いてる師匠が剣で返した?!

ふぇ!その剣を持ってる手は背中から生えている?


バキバキバキッ


「げへへへ、まだまだ若いのう、リッキーちゃん」

「ぬう面妖な、また現れたな!」



えっ、師匠が白目になって海老反った!?

そんで腹から現れた人影って???

しかも、その人影がリッキーさんのレーザーブレードを受けきった!?


おまけにその人影、僕には見覚えがある?

んん?あの人影、よく見たら………



「ぎゃあ、出た、妖怪ババア?!」



なんと、リッキーさんの剣を防いだのは、師匠の背中に生えた、あの偏屈ババア。


つまり、師匠の仮の姿だったのである。

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