第6話、えっちな姫川さんとの撮影会

 撮影室はとても幻想的な空間だった。部屋の真ん中には古風な大きなベッドが置かれていて、周りを取り囲むように様々な種類のぬいぐるみが置かれている。


 天井からは無数の小さなスポットライトがぶら下がっていて、古びた家具やらたくさんの小道具が並び、まるでファンタジーの世界に迷い込んでしまったような気分になってしまう。


 そんな素敵な空間の中央に、姫川さんは立っていた。


 チャイナドレス風のえっちな衣装を身に纏い、両手を腰に当てた姿勢で立っている。その姿はどこか自信満々といった感じだ。


「撮影室は二つあってね、こっちは色々と小道具を並べて幻想的な空間に仕上げてるんだ。隣の部屋は真っ白な壁紙に撮影用の背景スタンドが置いてあって、後は照明器具だけ取り付けてあるシンプルな作りにしてるの。でもね、わたしはどっちかというとこういうのが好き。こっちの方がわたしの好きな雰囲気が出せる気がするんだよね」


「へえすごいなあ……本格的だよね。衣装もそうだけど撮影する場所もこんなにこだわってるなんて」


「わたしの親がすごいお金持ちでさ、わたしのコスプレ趣味の為に色々と良くしてくれてるんだ」

「えっちなコスプレ写真を撮ってるのに許してくれるんだ。趣味に理解のある親って良いね」


「あはは……流石にそれは内緒だけど。お父さんやお母さんには露出少なめなコスプレ写真しか見せないから、バレちゃったら活動も続けられなくなるし……今の一人暮らしも出来なくなっちゃう。コスプレに使うもの全部没収されちゃいそうで」


「だよねえ。そういう事もあって色んな人に秘密にしてるんだね、姫川さん」


「うん。親もそうだけどクラスメイトのみんなにも内緒、友達にだって絶対に言えないもん。特に男子には絶対無理。でも武森には言っちゃったけど、コミケ会場でバレちゃったもんね」

「たまたまだけどね。ちょうど横を通り過ぎた時に、姫川さんだってすぐに気付いて」


「あれ本当にびっくりしたんだから。マスクもしてたし普段とは格好も全然違うから、知ってる人が見ても絶対に気付かれないと思ったのに……」

「姫川さんって可愛いから。一目見て分かったんだ」


「あうっ……。もう、武森ってば今日は褒めてばっかり! 学校じゃ全然見向きもしないのに!」

「学校じゃ話す機会もないから。姫川さんって友達も多いから、いつも忙しそうに見えて。僕なんかが話し掛けるタイミングもなかったしさ」


「僕なんかって……全然そんな事ないのに。もっと話しかけてよかったんだよ? いつ話しかけられても良いように……普段からその、準備してたんだから」

「え、僕とお話したかったの? どうして?」


「そ、それは……えっと。も、もうっ! この話は終わり! 上手に写真撮ってね、武森!」

「うん、姫川さんを可愛く撮れるように精一杯頑張るからね」


 何だか上手に誤魔化されてしまったような気もするけど、姫川さんとの話を終えた僕は彼女を撮影する為に動き出す。


 用意されていた立派なカメラに手を伸ばして、その使い方を姫川さんから教えてもらう。スマホでしか写真を撮った事はなかったけど、姫川さんの教え方が上手ですぐに使い方を覚える事が出来た。


「それじゃあわたしがポーズを撮るから、武森はカメラを構えてシャッターボタンを押して。ピントとかはカメラが自動でしてくれるからね。じゃあいくよー」


 そう言った直後、姫川さんの表情が変わった。先程までの姫川さんらしいあどけない表情から、妖艶な雰囲気を漂わせる大人っぽい女性の表情へと変わる。


 まるで本当にゲームのキャラクターになってしまったかのような、姫川さんが別人になってしまったかと思う程の変わり様だった。


 その変化に思わず目を奪われていると、姫川さんはベッドに座りながらポーズを取った。両手を広げて胸元を強調し、太股を大きく広げて挑発的な視線を向けてくる。チャイナドレスのスリットが大きく割れて、そこから赤い下着がちらりと見えた。


 姫川さんの取ったポーズはあまりにも扇情的で、その刺激に僕の鼓動が高鳴っていく。けれどこのまま見惚れているわけにはいかない、僕はカメラを構えてシャッターボタンに指を伸ばした。


 ――カシャリ、と音がしてカメラのレンズに姫川さんの姿を収める。


 初めて自分で撮った姫川さんの写真は、今まで見たどんな写真よりも魅力的だった。


 姫川さんのえっちな姿を撮っていると、まるで現実ではないような感覚に陥ってしまう。夢でも見ているような気分になって、僕は角度を変えたり場所を変えたりしながら何度もシャッターボタンを押し続けた。


「そうそう。色んな感じで撮ってみて。後で確かめて一番良いのをSNSにアップするつもりだから」

「うん、わかった。もっと撮ってみるね」


 それからしばらくの間、僕は姫川さんの姿を撮り続ける。シャッターの音が響く度に、艶やかな表情と淫らなポーズで姫川さんは応えてくれる。


 こんなに可愛い女の子が、学校のアイドルとして慕われて愛される姫川さんが、普段見る制服姿からは考えられないようなえっちな服装で、僕を誘惑するかのようなポーズを取ってくれているのだ。


 それに狭い部屋に男女で二人きりという状況を意識してしまうのか、時折キャラクターになりきるのを忘れて恥ずかしそうな顔で微笑んでくれるのも堪らない。


 姫川さんの魅力を引き出そうと頑張っていたはずなのに、いつしか彼女の魅力に溺れるように魅せられてしまっていた。


 けれど必死に理性を奮い立たせて、姫川さんの約束に応えようと僕は撮影を続ける。


 その真剣な想いが姫川さんにも伝わってくれたのかもしれない。


 彼女は嬉しそうにたくさんのえっちなポーズを僕に披露し続けてくれた。


 胸に被った布を持ち上げて、大切な部分がぎりぎり隠れた様子を見せ付けて来たり、スカートの裾を掴んでゆっくりと持ち上げていき、まん丸のもちもちとした柔らかな大きなお尻を半分ほど露わにしてみたり。


 そして姫川さんが大胆に両足を開いて下着を見せつけてきた時だった――。


 カメラのレンズ越しに見えてしまう、座りながら大きく脚を開く姫川さんの可愛らしいパンツ――女の子の一番大切な部分を守るクロッチが、湿って色が変わってしまっている事に気付いてしまった。


 その瞬間、姫川さんがどれだけ興奮しているかを僕は悟ってしまう。パンツを濡らして出来たそれはじわじわと広がっていく……同時に姫川さんの息が甘っぽくなっていくのを感じ取る。


 姫川さんはカメラを構える僕を見つめながら、その甘い息と共に囁いた。


「あは……ばれちゃった♡武森に撮られて興奮しちゃってるって……♡」


「ひ、姫川さん……」


「ごめんね、わたしすごくえっちだから。武森がせっかく一生懸命に撮ってくれてるのに……ずっとわたしの大切なところがきゅんきゅんして止まらなかったの……♡」


 そう言って姫川さんはパンツ越しに女の子のぷっくりとした割れ目を指先で撫で始めた。


「武森……いっぱい撮って♡ わたしのえっちなところ……武森にだけ見せるから♡ 特別なんだよ?♡」


「う、うん……。もっと撮るから……もっとえっちな姫川さんを見せてね」


「うんっ……♡」


 そうして姫川さんはカメラに向かって、もう大切な場所をほとんど隠せていない程に濡れてしまったパンツを見せ付けるように突き出してくる。


 そこには可愛らしい小さなテントが張っていて、女の子の大切な部分が興奮しているのが分かった。


 僕の目の前にいる姫川さんの瞳は潤んでおり、頬は赤く染まっていて、口元はだらしなく緩んでいる。


 普段の制服姿の姫川さんからは絶対に考えられないような、えっちで恥ずかしい大胆な姿をカメラのレンズの中に収め続けて、あっという間に時間が過ぎ去っていく。


 外が夕焼けで赤く染まり始めているのに気付いたのは、撮り続けた写真でカメラのストレージがいっぱいになった時だった。

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