第1話 僕の新しい家族

 今朝のご飯を作るのはお姉ちゃん。

 キッチンにはお味噌汁と焼き魚のいい匂い。

 姉ちゃんの特製卵焼きの音がフライパンでジュッとしたら僕の胃袋はギュッと鳴った。


「おはよう」

「「おはよう」」


 おはようって言えばお父さんと姉ちゃんが返す元気な声がする。


 僕が12才でこの家に引き取られて五年が経った。


 この二人が死んじゃったらどうしようって思っている。


 ずっとある本当のお父さんとお母さんが亡くなった時の心細さ。


 不安を知られたくないから僕は明るい僕を演じて心をガード。


 お父さんは僕の本当のお父さんの友達だ。

 仕事は建設会社のドライバーをしてる。


 姉ちゃんは歯医者の受付をしてる。

 姉ちゃんは高校卒業してから働いていて彼氏はまだいない。

 たぶん。


 僕は二人が死んじゃったらと思う不安を心に隠しそしてもう一つ隠し事をしてる。


 それは目の前の血の繋がらない姉に恋心をいだいている事。


 まあ要するに僕は姉ちゃんが好きなのです。

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