第29話

「この虫がこの人を殺したのね。」


「虫かどうかもわからないけど、まあ仮称虫でいっか。」


説明を聞いてある程度納得が行き口調も戻ってきたルルさんは恐怖が多少和らいだのか、状況把握に努めていた。

恐怖から解放されたルルさんは気が大きくなってる気もする。

戦場で早死にしそうな性格だね。


「存在、仮称虫に対して、調べたいことは色々とあるが今は彼女が生き返るかどうかを調べておきたい。」


運が良ければ生き返る。

この記憶の領域は本当なのかどうか疑わしいものだ。

俺には面倒ごとの匂いが大嫌いだ。


これの死体を処理するのはごめんこうむりたい。

なんせ発見されれば警察の捜査が入ってもおかしくない容姿と身体の構造をしている。

内臓はほぼ一緒、検体されれば人間ではないことはわかるがそれまでに指紋やら取られてしまっては、こちらにまで操作が回りそうで嫌だ。


「胸開いているのに、生き返るって言いきれるの?」


「この寄生虫には宿主を生き返らせる万能薬が入っている。」


「こんなにも大きな傷を治して生き返ることすらできるなんて、現代医学、呪術学では考えられないわ。」


「それを手に入れるために争いは絶えなかったようだけど、実際は違う。

 こいつ自身が争いを好み、知的生命体を殺すことだけを生きがいとしている生物なんだよ。」


殺人種と呼ばれているのは神話の中でも数が少ない。

大抵は人間を食料の1つと見なし、大自然の循環を描く。

殺人種とは人間を循環の一部でないと判断した一部の世界観が模した悪役、もしくは正義の執行者。


「怖いわ。

 冥界の住人は人を困らせることが目的で、殺人を目的としていないし、もし殺人をするようだったら、冥界の番人が黙っていないもの。」


命のやり取り自体初めてだったか。

予想はしていたけど、彼女もぬるま湯か。


雄馬のお母さんは俺にどうも戦闘面で期待している感じなのに、彼女らには戦闘面は期待していないように見える。

冥界の住人と戦闘を行う可能性が低いと言ってるけど、本当かどうかも疑わしいところだ。

現に地球の人でもこんなに好戦的なお人なのに、死者の国から這い上がってきた人たちが温厚なものなのかねえ。


「もう少しマシな戦闘要員はいないのか。」


「そうですねえ、私から見るに陰陽師の中でも選りすぐりの方のみでしょうか。

 陰陽師の家系は血筋がモノを言いますし、弟の言った世界の一師団長(6000から9000人の上の人)クラスしか見たことはありませんね。」


騎士団を約500人ほどと計算するとそこそこいい線行っている程度の人ってことか。

小国なら騎士団長クラスってところだね。

なんだ、魔王とタメ張って戦えそうじゃん。


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メイン小説

換金スキルとショップスキルでバグ技現代無双〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる~


酔っぱらってダンジョン行ってたらお姉さん持ち帰りしてて朝チュンしてた件~スキル乳化の美肌ボディエステは女性冒険者を虜にする~


こちら二つもよろしければ拝読ください。


スライム道

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敵の目の前で言ってやるんだ…大きく息を吸い「俺はお前よりも強い!」と…… スライム道 @pemupemus

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