第17話 禁断症状
「ねぇ、かすみちゃん?問題出してあげよっか?」
椅子にもたれ掛かりながらほのかが聞いた。
「…いや、いいや。」
かすみは、ほのかの方を見もしないで言った。
「わかった。じゃあ、問題です!」
「いや、要らないって言ったじゃん。」
「持つだけで手が震えてしまう家具ってなーんだ?」
ほのかはニヤニヤしながらかすみの方を見た。
「おおー!今回もちゃんと問題として成り立ってるじゃない!さすがほのか!飼い主として誇らしいわ~!!」
そういってかすみはほのかの頭を撫でた。
「えへへー!かすみちゃん、殺すよ?」
ほのかは頭を撫でられながら笑って言った。
「持つだけで手が震える家具でしょ?えーっと…。」
かすみは顎に手を当てて考え始めた。
やがて、答えがわかったのかニヤリとしてほのかの方を見た。
「わかった!答えはテーブルでしょ!手がぶるぶる震えるからテーブルよ!」
「せーかーい!!すごーい、かすみちゃん!」
「へっ!すごいでしょー!」
「じゃあ、もう1問行くよ!!」
「は?もう1問?」
ほのかの予想外の言葉にかすみはキョトンとした顔をした。
「持つだけで手が震えてしまう人ってだーれだ?」
ほのかはまたしてもニヤニヤしながらかすみの方を見た。
「えっ…?人?家具じゃなくて?えーっと…?んー…わかんないなぁ。」
かすみは険しい顔をして考えていたがやがて答えがわからず諦めた。
「ダメだ。ギブアップ。答えは何?」
「わかんないの?しょうがないな~!正解はね~…!」
ほのかは微笑みながらかすみに言った。
「アルコール中毒の人だよ!」
にっこりと笑うほのかをかすみは何とも言えない顔で見た。
「…なぞなぞじゃないわよね、それ?」
「ううん!なぞなぞだよ!」
「いや、どこら辺になぞなぞ要素があるのよ?それなぞなぞじゃないから。」
「え?そうなの?じゃあ、もう一問出すよ!」
ほのかは腕を広げて元気に言った。
「何かを取るだけで手が震えてしまう人ってだーれだ?」
「え?さっきと変わんなくない?」
「ブブー!正解は禁煙中のニコチン中毒の人でした!」
「いや…あのさ…」
「もう一問行くよ!」
ほのかは立ち上がって元気よく言った。
「何もしていないのに手が震えてしまう人ってだーれだ?」
「だから、さっきと変わらな…」
「ブブー!クスリが切れたヤクチュウの人でした!」
「だからそれなぞなぞじゃないって!!」
かすみは立ち上がって大きな声で言った。
「あんたが出してる問題、全部なぞなぞじゃないから!!ただのメディカルチェックだからそれ!!」
「もうなんなの!?ちゃんと問題解いてよ!かすみちゃんなんて嫌い!将来、酒飲みまっくて、タバコ吸いまくって、クスリキメて、体ボロボロになっちゃえばいいんだ!!」
ほのかはそういうとあっかんべーをしてから机に突っ伏した。
「コラァ!!冗談でもそんなこと言うなって言ったでしょ!!クスリ、ダメ!ゼッタイ!あと、タバコとお酒はほどほどに!!」
キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴って休憩時間が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます