第14話 クスリって言っちゃダメ。ゼッタイ。

 キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴って休憩時間になった。


「ねぇ、かすみちゃん?問題出してあげよっか?」


 目を見開きながらほのかが聞いた。


「…これがこうで…こうなって…。」


 かすみは、わざと独り言を言ってほのかを無視した。


「わかった。じゃあ、問題です!」


「いや、何も言ってないし。それにわかりやすく無視したじゃん、今。」


「笑ってる人しかいない薬屋さんはな~んだ?」


 ほのかはニヤニヤしながらかすみの方を見た。


「いや、問題間違えてるから。『笑ってる人しかいない店はなんだ?』でしょ?薬屋って言ったら答えバレちゃうでしょ。」


 呆れ顔をしながらかすみはほのかに言った。


「あー!なるほどね!わかったよ!じゃあ、改めまして問題です!」


「…」


「クスリと笑ってる人しかいない店はな~んだ?」


 かすみは得意げにほのかの方を見た。


「いや、クスリって言っちゃダメだから。答えが薬屋なんだから問題文にクスリって出しちゃダメなのよ。『笑ってる人しかいない店は?』よ。」


「あーそっかぁ!じゃあまた出すよ!問題です!」


 ほのかは得意げな顔をして言った。


「笑ってる人しかいない店はな~んだ?」


 ほのかは得意げな顔をしていった。


 それを見てかすみはおお!と喜びながら、ほのかの手を取った。


「できたじゃない!今までは最後まで正しい問題を言えなかったのに今回は言えたじゃない!」


「うん!言えたよ!やったー!私だってやればできるんだよ!えへへっ!」


 かすみに褒められたほのかはクスリと笑いながら答えた。


 それを見たかすみは立ち上がって大声で言った。


「クスリって笑うなぁー!!バレるでしょうが!その問題出した後にその笑い方したら!」


「もうなんなの!ちゃんと問題出せたんだからちゃんと答えてよ!かすみちゃん!」


「答えるも何も、あんたがもう答え言っちゃってんでしょーが!」


「もう!ちゃんとして!問題です!クスリをやってる人しかいない店はな~んだ?」


「やばい店でしょうーが!そんなの!ただのアヘン窟じゃない!」


「もうかすみちゃん嫌い!かすみちゃんなんて将来クスリやって捕まればいいんだ!」


 ほのかはそういうと片方の鼻を押さえるジェスチャーをしてから自分の机に突っ伏した。


「コラァ!!冗談でもそんなこと言うな!!そんなこと言ったらダメ!ゼッタイ!」


 キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴って休憩時間が終わった。

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