恐るべしバイトの新人

 癒し系女子は、新しいバイトの人だそう。

 

 店長に仕事を教わる癒し系女子。

 名前は、田口 由奈ちゃん。

 か、かわいいお名前…。

 

「えー、そうなんですねぇ、クスクス」

 可愛く笑う由奈ちゃん…。

 ほわ〜んって感じだわね〜。

 いいわぁ、なんて見惚れていた私。

 

 すると一緒の休憩になった時、

「あんたさぁ、仕事中こっちチラチラみてん

 なよ。気が散るんだよ」

 って由奈ちゃんに怒られた…。

 へ…?

 

 えと…。

 由奈ちゃん⁇

 私が唖然としていたら、成瀬くんが

「三上ボールペン貸せ」

 って言って入ってきた。

「あ、あー待って」

「いいよぉ、わたしのどうぞぉ」

「あ、じゃ少しお借りします」

「はぁ〜い」

 パタン

 成瀬くんが居なくなると、

「あんたさー、成瀬くんと仲良いじゃん」

 なんて言ってきた。

「えっ、うん」

「てか、あんた何年?」

「一年です」

「じゃあ、わたし二年だから‼︎あと、田口先

 輩っていいなよ!覚えといて‼︎」

 と、言われた。

 すごい圧だ。

「あ…はい…。」

 

 休憩が終わると

「休憩終わりましたぁ。」

 ニコッってする た、田口先輩…。

 

 恐るべし。

 

 そして恐怖の一日が終わりを迎えようとし

 ていた。

 

「帰ろうぜ、三上」

 すかさず私をギロッと睨む田口先輩…

 わ…夢に出そうで怖いんですけど…。

「あ、、うん。」

 

 二人で帰っている途中

「おまえ顔色悪いな。大丈夫か?」

 なんて成瀬くんが私の顔を覗き込む。

 なんですぐわかっちゃうんだろう…。

「あ、大丈夫だよ。少し寒かったから冷えた

 のかなぁ。あはは」

 すると

 ぎゅ〜

 成瀬くんが私を優しく抱きしめた。

「えっ…あの」

「寒いんだろ。オレがあっためてやる」

 ぎゅ〜

 あの…あのっ…

 かなり長い事抱きしめていただいた。

 ほっかほか〜。

 立ったまま寝れるかもってくらい心地よか

 った。

「あのっ、このままじゃ気絶するっ‼︎ありが

 とう」

「なんで気絶なんだよ。ま、あったまったな

 らよかった」

「うん」

 ハグ度満タンで嬉しすぎて気絶しそうなん

 て言ったら笑われちゃうから言わない。

 でも、このハグのおかげで田口先輩の圧が

 かなり和らいだ。

 

 次のバイトの日

 …いる。

 やっぱり田口先輩いる。

 あれは、幻じゃなくて本当に現実なんだ…

 

 私は、ボールペンをたっくさんポケットに

 入れた。

 今度は、成瀬くんにすぐボールペン渡すん

 だから!

 

 バイト中の田口先輩は、優しい。

 しかーし‼︎

 二人きりになろうもんならそれはそれは…

 恐ろしい…。

 

 しかもよく一緒に休憩になる…

 ううっ…。

 

 私は、パンをモサモサかじり食べていた。

「あんたさー、もしかして成瀬くんと付き合

 ってんの?」

「えっ」

「さっき成瀬くんに聞いた」

「あぁ、はい。一応」

「別れなよ」

 はい⁇

 今…なんと?

 別れなよ?

 変われなよ?

 和、枯れなよ?

「あ…えっ⁈」

「わたしさぁ、彼氏いるんだけどそろそろ次

 の男に乗り換えようと思ってんの。」

「あー…」

「だから、あんた別れな」

「えっ、それはムリかと…」

「ムリじゃなくない?あんたが別れないなら、

 わたしが奪うだけだし」

 えっ…

 こまる…

 

 こまるこまるこまるー‼︎

 ペットのこまる行方不明の巻って言ってる

 場合じゃない‼︎

 

 どうしよう…。

 あの先輩…成瀬くんの前では、かわいいキ

 ャラだ。

 成瀬くんころっと騙されちゃったりしなく

 もないよ。

 それに、私…彼女だけどいっつも成瀬くん

 に助けられたり守ってもらってばっかりだ

 し、私なんかより…はっ‼︎

 やばい…成瀬くん前にお姉さんの友達と付

 き合ってたんだよね⁈

 歳上好きなら、尚更やばいよーー‼︎

 

 奪うって何ー⁈

 いきなりすごいキスとかして成瀬くんをう

 っとりさせてしまうとか⁈

 なんかすごいキスしそうじゃん⁉︎

 あつーいキスして奪うの⁈

 

 私みたいに隙だらけだったら、あの時の観

 覧車で成瀬くんが私にしてくれたみたいに、

 田口先輩が成瀬くんにキスを…。

 

 イヤイヤイヤー‼︎

 ど、とうしよ〜。

 どうしたらいいのぉ〜‼︎

 

 学校にて。

「友美〜。」

「うわっ、どうしたカレン⁈寝てないの⁈」

「それがさぁ、成瀬くんが田口先輩でこまる

 が行方不明に…」

「ん⁇落ち着け‼︎カレン!まず深呼吸‼︎」

「ふっ…くっ…」

「なんで息止めてんの‼︎違う‼︎吸って」

「スー、」

「はいて」

「はーーーーーーーくっ」

 どこ見てる⁈しかもはきすぎ‼︎

「酸欠酸欠‼︎すって‼︎」

 やっと落ち着きまた一日かけて説明した。

 

 友美に聞いてもらい少し落ち着きを戻した。

 

 しかし‼︎

 これからどうすれば…

 

 続く。

 

 

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