寂しがり屋さん

 無事りっちゃんの件が解決した。

 

 もう安心して成瀬くんと帰れる〜♡

 

 …で、でもまだ緊張するっ。

 優しく繋がれた手。

 あー…手から伝わる優しさ。

 はっ、恥ずい。

 

「最近は、ちゃんと寝れてるみたいだな」

「あはは…おかげさまで」

「ならいいけどさ」

「うん。あのさ、成瀬くんのお姉さんと妹さ

 んってどんな人なの?」

「あー、ねーちゃんは…こえー、な。妹はさ、

 かわいいんだよ〜」

「へぇー、そうなんだ。なんか楽しそう」

「うーん…それはどうかなー。あっ、そろそ

 ろ妹誕生日なんだけどさ、誕プレ買うの付

 き合ってくれない?」

「えっ、いいの?わーい」

 

 ということでお休みの日待ち合わせ中

 妹ちゃんのプレゼント選び楽しみ。

 

 成瀬くん家族思いなんだなぁ。

 きっと私を優しく扱うように妹とも優しく

 接しているんだろう。

 

 あ、でもキスは私と成瀬くんだけのもの!

 いや〜。思い出すだけでも照れる〜。

 

「おまえ…一人でニタニタして…気持ち悪い

 ぞ」

「あっ、成瀬くん」

「お待たせ」

「うん!私も今来たとこ」

「じゃ行くか」

「うんっ」

 ぎゅっと繋がれた手。

 はぁ〜、どこまでもずーっと歩いていたい。

 

「おい、三上」

「んっ?」

「至近距離でずっとこっち見てニタニタすん

 な」

「はぁ〜い」

 

 そしてショッピング開始。

 

「ねー、ねー、妹ちゃん中学生くらい?」

「ううん。小五」

「あ〜、そりゃかわいいねぇ」

「そうなんだよー」

「私小五の頃ヘアアレンジに凝ってたな」

「ヘアアレンジかー」

「ほら、こういうオシャレゴムとかヘアピン

 とかいいんじゃん?」

「おー、さすが」

「フッ、私をみくびるな」

「別にみくびってねーよ」

「あっ、コレもかわいいよー。」

「どれ?」

「ほらコレ」

 かわいいマスコットぬいぐるみがペアにな

 っててそれを恋人とか友達とそれぞれもつ

 ペアキーフォルダー。

「あー、妹とおそろってキモくね⁇」

「おいおい…にーちゃん。そこは二個渡して

 友達とか彼氏とって感じじゃない?」

「おー、なるほど」

「ってことでそんなあなたには、私との小鳥

 さんペアの権利を与えます」

「はぁ、そんな権利いらねーし」

 

 …シュン

 ま、そんな柄じゃないもんねっ…。

 

 そんなこんなで無事お買い物終了。

 

 少しカフェで休憩して送ってもらった。

 

「今日は、ありがとな。おかげでいいもんが

 買えた」

「ううん。大したことじゃないよ。妹ちゃん

 気に入ってくれるといいね」

「うん。そうだな。じゃ、コレお礼」

 ポン

 頭にポンってなんか柔らかいものを乗せら

 れた。

 ⁈

 おそろの小鳥さん‼︎

「えっ、お揃いで付けてくれるの?」

「まあな。だから無くすなよ」

「うん!大事にする!ありがとう‼︎」

「じゃーな」

「うん。気をつけね。」

 小鳥さんをフリフリした。

 

 あ〜、成瀬くんいつのまに小鳥さんペア買

 ってたんだろう。

 くふふ。

 嬉しい‼︎

 

「おっはよーございます‼︎」

「おぉ、元気がいいね!三上さん」

 店長の言葉に私は、

「はい‼︎そうなんですよぅ」

 って言いながら成瀬くんをチラリ。

 パッと目をそらす成瀬くん。

 んも〜、恥ずかしがり屋さんっ。

 

 あー、早く帰りにならないかなぁ。

 私は、バイト帰りがなによりも楽しみなの

 であります。

 

 そして一緒に帰りあの定位置に一目散。

 

「…おまえ…欲しがりさんだな。」

「うんっ」

 

 なんだかんだいいながら優しくキスしてく

 れる成瀬くん。

 うっ…。

 このとろけるような甘いキス…

 私は、毎度腰を抜かしてしまいそうになる

 のでありました。

 

 あ〜バイトが楽しみ〜。

 ルンルン

 って思ってたけど…

 思ってたんですけどっ。

 でも、まさかの事態が起きる事を今のカレ

 ンは、知るよしもない。

 

 

「おはようございます」

 あっ…何このキラキラした癒し系の女の子

 は…。

 と、とりあえず

「おはようございます」

 と返してにっこり微笑むと、にっこり微笑

 み返してきた…。

 うっ…。

 なんですか⁈この素敵な破壊力…。

 

「おー、三上おはよう」

「あ、成瀬くん、、おはよう」

 私達のやりとりをじっと見るキラキラ癒し

 系女子。

 

 成瀬くんが居なくなると、癒し系女子が腕

 を組んでいきなり、

「ふぅ〜ん」

 って言った…。

 

 えっ⁇

 今ふぅ〜んって聞こえた⁈

 違った⁇

 蚊が通ったの⁈

 ん⁇

 

 そんなカレンにこれからピンチが訪れるの

 でありました。

 

 

 続く。

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