今週末は「乗鞍ヒルクライム」

 このエッセイ、前回、前々回と、ちょっと過去の事を振り返って書いてみたけれど、大切なのは現在だ!

 過去のエピソードは、また機会があったら折に触れて書いていきたいと思う。


 さてさて、乗鞍ヒルクライムレースの日が近づいてきたぜ! いよいよ今週末だ。例によって、これまでの自分の記録を引っ張り出してきた。



 2007年 ②(①)1°10'54

2008年 ①1°09'20※自己best

 2009年 ①1°10'14

 2010年 ①1°11'31

 2011年 ①1°11'43

 2012年 ②(①)1°11'26

 2013年 ②(①)50'50※短縮コース

 2014年 ②(①)1°06'38※短縮コース

 2015年 ②(①)20'38※短縮コース

 2016年 ⑤1°19'43

 2017年 ②1°12'25

 2018年 ⑦1°15'18

 2019年 ⑩1°15'30

 2020年 中止

 2021年 中止

 2022年 ?



 ちなみに、1986年にこの大会が初開催されたという事だ。


 大学の自転車部に入った年の8月、長野の白馬に大学の合宿所があって、そこでの合宿中に乗鞍に連れて行かれたんだ。

 上りのレースに出場するから、ただ頑張って上ればいいっていう情報だけを貰って走ったと思う。

 何が何だか分からず、ひたすら頑張って上って優勝したのが、たぶんその第1回大会だったんだと思う。他に女子選手がいたかどうかも覚えてないけど。


 ロードをバリバリやってた頃や、MTBで世界を目指していた頃は、この乗鞍ヒルクライム大会に出場していなかったのだけど、初出場から約20年後にペンションに来てくれるお客さん達と一緒に参加し始めた。

 乗鞍ヒルクライム大会は今回は第37回だってさ。

 第1回は何年前? てな。


 ○の中の数字が総合順位。()の中の数字が年齢によって分けられた2つのクラスの中の順位。

 俺は最初から36歳以上のクラスだった。

 2016年からは女子は年齢区分が無くなっちゃってさ。

 70歳や80歳になっても20歳の子と同じクラスで戦わなきゃならないなんて厳しいだろ。

 2012〜2015年は悪天候の為にコースを短縮して開催された。

 2020〜2021年はコロナの影響で中止。


 さあ、今年はここにどんなタイムが刻まれるのかな?


 あっ、現在の女子のコースレコードは2019年に記録された1°06'48なんだ。今年はこの記録を更新する選手が出てくるのかも楽しみだな。



 このエッセイを書き始めた4月から4ヶ月、5月に行われた「車坂峠」から3ヶ月、6月に行われた「美ヶ原」から2ヶ月が経った。


 最初のエピソードに【今年目標としているレースは2つ。ここ数年と同じなんだけど、8月の乗鞍と10月の台湾KOM。】ってはっきりと書いてある。


 今の気持ち、身体の状態はどうよ? 今のコンディションは?

 調子上げてこれたのか? 

 今回の目標はどこに置いてるんだ?


 勿論自分の中に、色んな思いがあって、目標もちゃんとある。

 でも「美ヶ原」の前と違って、今回はあえて書かないぜ。

 レース終わってから書く事にする。

 これ、読んでる人、予想してくれよ。俺のゴールタイム。俺の予想より差が少なかった人には豪華プレゼント!

 あげないけど、拍手をいっぱい贈るよ。



 今回は乗鞍ってどんな所かを少し書く事にするよ。


 乗鞍はさ、ヒルクライムの聖地って言われてる。

 高校球児が目指す甲子園みたいな感じで、国内のアマチュアヒルクライマーにとっては、ここが一番目指す所って感じになってる。

 ガチな人達が一番目指している大会だから価値があるんだ。


 でも価値ってのは勿論それだけじゃない。

 順位やタイムを求めずに、自分自身への挑戦とか、仲間と楽しむとか、非日常を味わうとか、参加者一人一人にその時の目標や価値があって、それがまたこの大会の良さでもあると思う。


 毎年ほぼ8月の末に行われるこの大会は、コースの全長20.5km、平均勾配6.1%、標高差1,260m。

 国内舗装道路最高点の標高2720m地点がゴールだ。

 その高さまで自転車で走ることができる場所は日本には他には無いぜ。

 頂上は、足で登る登山でしか見れないような絶景が広がっている。


 レースを終えて見るその景色。

 その見え方は、その時の心のあり方で全然違うんだ。

 なぜかめちゃくちゃ心に染みる時があったりもする。

 乗鞍岳の山頂に行くには舗装路の最高地点からもう少し歩かないとならないんだけどね。


 高山植物の女王って呼ばれているコマクサを初めとした様々な可憐な花たち、クマ、カモシカ、ライチョウ、ホシガラス、ウソ、アサギマダラといった俺が大好きな動植物の宝庫でもあるんだ。

 レースの時はさすがに気づけないけど、トレーニングとかサイクリングとかで訪れると彼らが励ましてくれる事も多くて、すっごく嬉しくなるんだ。


 俺たち観光客は、彼らの生きている場所を貸してもらってるって事を忘れちゃいけない。


 秋の紅葉がこれまたお見事でさ。年によってその美しさは違うんだけど、その紅葉を見ながら上ってて、涙が出そうになった事もある。


 なんだろう? 他の場所には無い何かがあるっていうか。

 まさに『聖地』なんだと思う。

 ここでは何か素敵なを与えてもらえることも多い。

 自分自身の持っている力を発見できたり、与えてもらう言葉があったり、振り返りの中でふっと思うことがあったり。


 自分の好きな物や場所には何かが宿ってるとか、色んなものが舞っているって感じることないか?

 俺にとって乗鞍はそんな場所なんだ。


 車坂、美ヶ原、とは違う意気込みだ。レースにしっかりとフォーカスしていいレースをしてくる。


 そして俺が大好きな聖地を満喫してくるぜ!

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