第3話記憶喪失

リーは毎日朝から山を登りジムで

筋肉トレーニングをしカンフー道場で

数人を相手に練習をした

頭の中にはその声が何度も響く

「強くなれ、強くなれ」


カンフー道場ではナイフを使って

斬り合いをして練習をして

服に何ヶ所のも切り後が着いていた

射撃場ではピストルを何発も撃ち

的に穴が空いて行った。


夜のカジノでチップを賭けてギャンブルに興じる男

カジノから外へ出た男を後ろから捕まえると

男は逃げようと暴れていた。

「お、お前は?」


リーの背中に生暖かい真っ赤な血を

首にかぶると背中に痛みが走った

その後、数人の男がリー体を抱き上げ

黒いバンに乗せて走り出した


「大丈夫か?」

「えっ、はい」

血の付いた白いスエットを脱がされ

背中に刺さった白い骨をピンセント何個も

取って皿に落とす音がコツコツとした。


香港のビクトリアピークを登りきり

港に上がる朝日を見ていると

目の前に色々な女性の顔が浮かび

「愛しているわ。亮。パパ」

女性の声が次第に大きくなっていった。


~~~~~~~~~~~~~~

リーは目を覚まし窓の方へ歩いていくと

カーテンを開けた。そして後ろを振り返ると

ジャネットとブルックが寝ていた


「リー、どうしたの?」

ジャネットは体を起こした

「ああ、起こしました。すみません」

亮はカーテンを閉めた。

「散歩して来ます」


「あっ、大丈夫か。気を付けてね」

「はい」

リーは外に出ると電車が高架を走っていた。

映画に出る有名な場所で塀やビルの壁には

らくがきが描いてあり、

日本の落書きよりかなりレベルが高い。


「ヘイ!」

二人の黒人男が声を掛けて来た。

「はい」

「お前チャイニーズか?」

「いいえ、ジャパニーズです」

「見ない顔だな」

「そうです。昨日来たばかりで」


「この辺りにホテルなんかないぞ」

「あはは、そうですね」

リーは恐れる事なく堂々と話をしていた。

「俺、日本好きなんだよ。ポケモンとかナルトとか」

「俺はドラゴンボールだ」

二人とも手を振って口笛を吹いた


「なあ、日本人は忍者なのか?」

「やってみましょうか?」

亮はバク転を三回連続して空中で体を捻った。

「おお」

二人は呆気にとられた。

「ナイフありますか?」

「何するんだ!」

「大丈夫です、ナルトやってみます」


男は恐る恐るナイフを渡すと

リーはナイフを受け取った

リーは素早く街路樹に投げそれが突き刺さった。

「おお」

二人は手を叩いて喜んだ。


「今のは手裏剣投げだ、

日本人はたまに忍者が居るから

気を付けた方が良い」

亮は日本人が強いとイメージを植え付け

日本人を守る事を考えた。

「わ、わかった。日本人は忍者だな」

「そうだ、僕を思い切り殴ってくれないか」


「何言っているんだ!」

「いいから・・・」

「そんなに言うなら忍者を倒してやる!」

二人が順番に殴りかかっても

リーには一発も当たらなかった。

「なぜだ、なぜ当たらない」


二人がフラフラになっていると

リーはよけながら次第に記憶が戻ってきた。

「あはは、僕は亮、日本人の團亮だ!」

「忍者はこんなに強いのか」

二人は座り込んだ。

「忍者はかなり強い。しかも不死身だ」

二人はリーと握手をして手を振った。

~~~~~~~~

3か月前

1月7日のNHKホール前の通りは

正月の初詣の名残で、

野次馬でいっぱいになっていた


道路に横たわる

白い上下のスエットは血で真っ赤に染まっていて

側頭部から脳みそは吹き飛ばされ顔の確認も

出来ない程バラバラになっていた

ブルーシートで運ばれる死体を一目見ようと

野次馬はスマフォを向けていた。


~~~~~~~~~

その昼過ぎにNHKホール前で殺人があったと

言うニュースを観ていた一文字は

テレビの前で子供のように跳ねて踊った。

「やった!あはは」


一文字は後藤田が依頼を実行した事を確信した。

一文字は後藤田の

「機嫌が直るまで帰って来るなと言ったが」

新村一恵に状況確認の電話を何度しても

受けることなく留守録にもならず

腹を立てて電話を投げつけた


「畜生あの女、どこへ行った」

大声で怒鳴った。


一文字は九条ゆかり、矢上淳子、武坂雅美の

ところへ電話をしてその夜ホテルのスイートルーム

に呼び出したミニスカートの三人にお金を渡し

ルームサービスで豪華な料理と赤ワインを飲みながら


「さあ、今日はお祝いだ。やりまくるぞ」

「はーい」

三人は下着姿になり

雅美と淳子はバスローブの一文字の

下半身を咥えゆかりは一文字の肩を揉んだ


「おお」

雅美はティバックのショーツに指を突っ込み激しく

出し入れをすると

その女はそれを口に咥えたまま声を出して

お尻を大きく振った


「ふん、女はスケベで金のためならなんでもする」

一文字は連絡が取れない一恵を思い出して囁いた

「んん?何か言った」

淳子が聞くと一文字は怒って返した


「何でもない」

「誰か英語が出来るやついるか?」

「はい、私帰国子女です」

一文字の肩を揉んでいたゆかりが言った。


「よし、明日お前を連れて行く」

「本当?何処へ?」

「ニューヨークだ!」」

ゆかりが一文字に抱き付いた。


「わあ、うれしいどれくらいの間ですか?」

「1週間くらいだ」

「じゃあ、日坂社長の方は?」

「ゆかり、今日からお前は俺の秘書だ、

日坂には他の秘書を派遣する」


「良かった、あの男弱くて」

「おいゆかり、そんなにやっていたのか?」

「はい、社長室で毎日」

「しょうがないなあ、あの男」

「でも、新村さんはどうしたんですか?」

「あいつは会社を裏切ったので首にした」

そう吐き捨てるように言った。


「そうですか、ニューヨークなら

ミュージカル観たいです」

雅美が一文字に甘えた。

「うんうん。いいぞ。

ただ、仕事もあるぞ」

「はいわかりました」


「ずるーい。私たちは?」

淳子が一文字に甘えた。

「じゃあ、みんなで一緒に行くか?」

「きゃー」

一文字は三人に抱きつかれて

笑いが止まらなかった。


~~~~~~~~

翌日の月曜日の朝、美喜は亮に預かった封筒を

開けると名前の付いた封筒が有った。

大原智子

團輝樹

ジュディ・山都

飯田文江

池田直子

小村友子

原美咲

黒崎絵里子

内村昭二

上原武志

宛の手紙が入っていた。


「美喜さん、この手紙を読んだら

手紙の宛ての人に電話をかけ手紙を届けて

ください」


秀樹は株主登録を終えストレードHDの

筆頭株主になっている事を内容証明

で送りつけると一文字から返事が無かった。


~~~~~~

友子は手紙を読み終えると

自分が管理している

株の一切の取引を停止し

團家と話をし

渡米してロイと打ち合わせした。


~~~~~~~

美咲は手紙を読み終えると

一文字をインサイダー取引の容疑で

逮捕する事を決め逮捕状を請求した

「佐川さん一文字を逮捕するわよ」

美咲は佐川に電話をした。

「まだ、早くないですか?」

「やつは海外に逃げる可能性があるのよ」


「そうなったら面倒ですね」

「証人もこれだけ集めれば充分起訴できるわ、

それに亮の殺人教唆も自白させてやる」

「わかりました、僕のほうへ連れてきてください。

締め上げてあげます」

「お願い」

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