第49話 ハロウィンが普通じゃない
10月31日ハロウィン。
元々は収穫を祝う祭事だったが、いつからか仮装をしお菓子を貰うイベントへと変化していった不思議な催し。
嫁は当然このイベントに乗っかる。
「今日はハロウィン...悪魔とかお化けとか出るから、これに変装してお化けたちを騙そう!!」
「わーーい!」「楽しそー!!」
せっせと衣装作りをする真衣と由衣、嫁に教えてもらいながら必死に作った仮装衣装。何度も見ているからか、参考に作られたのは愛菜さんの衣装だった。吸血鬼、ハロウィンにはもってこいの仮装だ。
ただ、やはり、家にある物だけで作った以上手作り感満載だ。
嫁が黒電話でどこかに電話をかけると、玄関が叩かれる。
いつもは嫁が出ていくが、今回は真衣と由衣に行かせる様子。
相手は案の定...。
「わぁ!吸血鬼さんだよ~こうゆう時はどうするんだっけ~??」
「変装!!」「吸血鬼になるー!!」
「正解!!さっそく着替えよう~!!
「まったく人を悪者みたいに...」
玄関に俺と愛菜さんを残し真衣たちは部屋の奥に行き着替えを始める。
「なんかすいません...」
「もう慣れたわ、ドミの出張も今日で最後、迎えに来たと思えば安いものだわ」
ちょっとした世間話で時間を潰していると変装が終わった真衣と由衣が登場した。
あらかわいい。
そして、そう思ったのは俺だけでは無かった。
「あら?かわいい眷属が居たものね、さっそく連れ帰りましょう♡」
「え...」
話が違うといった表情を浮かべる、真衣と由衣。
変装すれば大丈夫だと思っていた子供は不安に泣き、愛菜さんは二人を抱き抱えどこかに消える。
「誘拐されたんだが!!!」
勢いよく俺の方を振り向く嫁。
言わんこっちゃない。
仮装なんてするから本物に狙われる...。
「ママ―!!見てみて!」
すぐに戻ってくると、真衣と由衣は満面の笑みを浮かべている。
それもそのはず、特殊メイクでも施したのかと思うほど、吸血鬼になっているのだら。黒を基調としたマントは愛菜さんとお揃いで、ちらりと覗く伸びた犬歯はとても可愛らしい。
どうゆう原理かわからないが、背中から翼まで生やしている。
あれは元に戻るのだろうか...。
「眷属にしたわけじゃないのよね??」
「さぁ?どうかしら」
血の気が引く俺と嫁。
流石に悪いと思ったのか種明かしをする愛菜さん。
「あとこれ、返しとくわ」
「別にいいのに...だって本物くれるんでしょ?」
「あんたね...手作りも立派な宝物よ、作った思い出こそがなによりも大切なんだから」
あれ?ひょっとして愛菜さんってかなりいい人??
愛菜さんからさっき作った手作りの方を嫁は受け取るとにこやかに笑う。
「そうね、ありがと。せっかくだから上がって行って、ドミも遊んでるから」
「当然よ、このまま帰れる訳ないわ」
愛菜さんを連れて快とドミナミさんの元へ向かうとそこには。
ドミナミさんの巨大な胸に腰掛け気持ちよさそうに眠る、快の姿。
巨大な両桃を両脇で堪能している様は...まさしく色欲の王。おっと自分の息子に対し言い過ぎた...。
「やはり...素質ありかしら...」
「なにがっ?!?!?!」
訳の分からない事を言う愛菜さんは放っておいて問題は嫁だ。
快のほっぺをツンツンする代わりにドミナミさんの巨大な胸をツンツンしている。
嫁よ...違うだろ...俺の嫁は吸血鬼の愛菜さんよりも普通じゃないのかもしれない。
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