第9話 ママ友が普通じゃない

 入学式前日、あの話が本当なら嫁のママ友が来るらしい。

 真衣は既に小学1年生だったので、この春から2年生だ。なので入学するのは由衣一人。だというのに、真衣もちゃんとした服着たいと言って仕方ないので着せている...。

 満足そうなのでよしとする。


 人が少ないので入学式は昼過ぎから始めるらしく時間には余裕がある。

 そんな緩い学校があるのか...と、思いたくなるが...まぁここが田舎なので深く考えない事にする。


 待つ事数分インターホンが家に響く。

 どうやら...王族が来てしまった様だ...。


 嫁は躊躇う事無く玄関の戸を開ける。


「おはようございまーす」

「いらっしゃーい、辺鄙なところでごめんね~」

「いえいえ、ホラおいで」


 キーラと言う嫁の友達が呼ぶと少年と少女が姿を現す。

 三人は全員銀髪で容姿が非常に優れている。

 気品溢れるキーラさんに、腕を組み俺を睨んだ様子のカースくん目の色おかしいな...それから...まさにお嬢様といった表現が正しいキースちゃん。


「ふーん、ここが田舎っていう所なのね」

「ちょっとキース!失礼ですよ!!」

「ふん!事実じゃん!それよりも...そこのお前!!親父とどうゆう関係なんだ?!」


 少年が指を差すのは...俺??

 え...君のパパさんと俺知り合いじゃないんだけど...。


「こら!もうごめんなさい...ケンタさん...カースが失礼を...」

「いえいえ...お気になさらず」


 王族に頭下げさせたとか...最悪の場合不敬罪で...無期懲役...いや...異世界なら死刑?怯える俺を察してくれたのかキーラさんは俺にフォローを入れる。


「死刑はないので安心して下さい!そもそも訴えないので...」

「え?あぁありがとうございます?」


 ん?あれ??心読まれた?言葉には出してないよな...。


「あっすいません...勝手に心を読んでしまって...」

「まぁ俺はほんとに親父と関係ないみたいでよかったけどな」

「こら!言葉遣い!」


 カースの頭を軽く小突くと再び頭を下げる。


「いえ、ほんとにお気遣い無く」

「度々すいません...おに...」

「わーーーーわーーーー」


 突然嫁が騒ぎ出しキーラさんの言葉を遮る。

 その様子を不思議がりながらも三人を居間へと案内した。


 嫁のママ友...心読むなんて普通じゃない!

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