第3話 神の一手

グランドに静かな風が吹いてた。

一条は連にむかって「俺に挑戦(チャレンジ)するものはなんだ。」と静かな声で尋ねてきた。

連は一条の質問に対して「格闘でお願いします。」と目を輝かせながら言った。

連と一条は格闘経験者だったのでどっちが勝ってもおかしくない状況だけど、一条からはものすごいオーラが出ているような気がした。

静かなグランドから挑戦(チャレンジ)開始のホイッスルが響いた。

開始してから5分以上が経つが両者どちらとも1ミリも動かなかった。

そして着々と時間が過ぎ、開始してから12分が経つと同時に連が一条の方を向かって全力で走り始めた。

一条はファイティングポーズをしながら連の方をしっかりと見ていた。

連は一条の顔を目掛けて殴りかかったがあっさりと避けられてしまった。

一条は連の腹を目掛けて強烈な一撃をかました。

連は避けることができず、腹に強烈な一撃をくらってしまい、ふらついている間に一条は顔、太ももを目掛けて連続攻撃を続けた。

グランドにいた生徒達も最初は一条を応援していたが時間が過ぎていくうちに、応援の声から連に対する心配の声が多くなってしまった……

連のあらゆるところから大量の出血をしていた。

連は立ち上がり一条に向けて強烈な一撃をかまそうとしたが、またあっさりと避けられてしまい、一条の会心の一撃である異名「神の一手」をモロに食らってしまった連は気絶してしまった。

連は目を覚ますと保健室にいた。

目の前には一条と知らない女子がいた。

連は知らない女子の方を見て「お前誰だ?」と今出せる限界の声で聞いた。

そしてその女子生徒は連に向かって「新入生挨拶をしていた桜井 桃花です。」と答えた。

一条はなぜ桃花がいるのかわからない連にむかって「連君をここに運んで来てくれたのは桃花さんだ」と説明してくれた。

一条は連にむかってもう一言話した。

「君が僕になぜ挑戦(チャレンジ)をしようとしたかは分からないが、君が僕にもう一度挑戦(チャレンジ)したくなったらいつでもきてくれ」と言い保健室を出ていった。

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