遊びに行こう




 やばい、かなりやばい、

 女の子に耳元で囁かれた。ドキドキしすぎて授業が頭に入ってこない、、

 今なんの話をしているんだ、まずいノート取らないと、くそっ、ぜんぜん集中出来ない!あのときの耳の感覚がまだ残ってる。とりあえず深呼吸して落ち着こう。

「すーはー、、ふぁ〜あ、、、、、、、うぐっ!!」

 ふいに欠伸が出てしまった。見られていないか周りをみていたら目があった。

 そう、岩川さん、じゃなくて咲と。

 彼女はニコッと微笑んできた。僕をからかっているのだろうか。






「またねー」

「今日あそこ行きたい!!」

 クラスの人たちの声がざわざわと聞こえてくる中、僕は帰りの支度をしていた。

「ねぇ!遊ぼう!」

 咲さんが

「え?」

 僕と遊びたいのか?僕なんかと?

「ダメだった?」

 そんな捨てられた子犬みたいな顔をしなくても、、

「い、いやぜんぜん!むしろ僕なんかでいいの?」

「むしろ君じゃないとダメかな?」

 これはそういうボケなのかガチなのか、、

 多分後者の方は無いだろう。前者だったとしても僕は由奈に恋している。

 嫌われてるしそんな資格ないけど、まだ立ち直れていないし、次の恋などできる気がしない。

「ちょっと聞いてる?」

「あ、あぁ聞いてたよ、あのあれだよね、、、、」

 ギルティ、話を全く聞いてなかった。

「聞いてないね?これ二回目だよ?舐めるよ?」

「ごめんなさい、、」

 まじでこういうところは直さなきゃ、、、え?今なんて言った?

 なめ、、え?

「舐めるってどういうことですか?!」

「耳を舐めます」

 咲は唇をぺろりと舐めた。

 この瞬間、僕は少し期待していた。いや、かなりだ。

 来るのか!?来ないのか!?どっちなんだい!


「嘘だって〜めちゃ期待してるじゃん〜童貞はいじりがいがあるな〜」

「童貞かどうかはわかんないじゃないですか、、」

 ボソボソと不服そうに僕は言った。

 結構そういうの気にする時期だからね!?

「ごめんごめん」

 咲はにやにやしながら謝った。

「ところでどこいくー?」

「僕はどこでもいいよ」

「でた!なんでもいいとか言うやつね!提案しなさい!」

 たしかによく親がそれが一番困るって言ってたな。それは申し訳ない。

「じゃあちょっとおなかすいたからなんか食べたい、とかかな?」

「じゃあハンバーガーだね!決まり! いくよ!」

 そういいながら僕の手を引っ張っていく咲。

「ちょっと!自分で歩けるから!」

 めっちゃ人に見られて恥ずかしんだけど、、、、、

 由奈には見られたくないな、、、興味ないと思うけど、、

 そう思いつつ教室を後にする。










 朝、春樹がほかの女の人しゃべっていた。まぁ軽い挨拶の延長なのかもしれないすこしもやもやするけど、焦らなくて平気だと思う。  



 昼休み

 春樹がまたあの女と話してた。確か名前は岩川咲。たまに春樹と挨拶ぐらいしかしない相手、私なんて春樹と遊んだりしてるし、春樹のことをよく知ってるのは私しかいない。けどなんかすごく楽しそうにしてる。

 あんなこと言わなければよかった。私はあの時カップルの間違われてすごくうれしかったけど恥ずかしくて余計な事を言ってしまった。


 え?今なにしたの?嘘だよね?春樹に近づきすぎだよね?

 春樹も赤くなってる、、、、絶対に嫌。春樹があたしから離れるの??

 マジで無理、、、あの女、、、、、、、、、、、


 放課後


 やっと授業が全部終わった。みんな帰りの支度をしたり、雑談をしている。 

 授業中も何か二人で話してるオーラがあった。

 すごくむかむかする、、、 今日、春樹の家に行って誤解を解かないと、あの女に春樹が取られる。

 春樹にメッセージを送っておこう。


 今日の夜家行くから。話がある。



 春樹と咲の声が聞こえてきた。胸がチクリとしながらも目を向ける。


「ねぇ!遊ぼう!」

「え?」

 咲が春樹にそう話しかけ、春樹はそれにこたえる 

 え?そんなに仲良くなったの?

 私といるときより楽しそうにしてない?

 遊びにいくって、、これで取られたらどうしよう。

 そう考えているうちに春樹と咲は教室を後にする。

 まずい。ついていかなくちゃ。と、とっさに由奈は思った。







 春樹視点



 僕は咲さんとハンバーガーショップに来ていた。

「あ、これ食べたい!うーん、けどこれもいいな~」

 咲さんはメニューを見ながら頭を抱えていた。

 僕はそんな咲さんを見て少しかわいいと思ってしまった。

 僕にそんな風に思われているなんて知ったら、気色悪がられるだろう。

「決めた!これにする!!」

 咲さんは万遍の笑みでそう言いながら、メニューを指してきた。

「わかったよ。先座ってていいよ。」

「一緒に並ぼうよ? お金はどうする」

「これくらいなら払えるよ」

 ちょっとカッコつけてみたくてやりました。

「大丈夫だよ!申し訳ないし~」

 断られた、、、、恥ずかしい!

 そんなやり取りをしつつ注文と会計を済ませた。

「ふぃーやっと座れたねー」

 咲さんは椅子に溶けるように座った。

「先に座ってもとよかったのに」

 僕はそう言いながら、座った。

 そうすると咲さんは口に手を当ててにんまりと笑いながら言った。

「そういうことじゃないんだなー? 私は君と少しでも長くお話がしたいから先に座らなかったんだよ?」

 急にそういうこと言ってくるんだ、、けど落ち着け本当にただ話したいだけかもしれない。そうだきっと、いや絶対そうだ!!やってるゲームだって同じだったし。ここは変に浮かれないでおこうもうこれ以上人に嫌われたくないし。

「僕も咲さんとたくさん話せてうれしいですよ。」

「へ、へぇ~ならよかったけど、、、」

 咲さんは少し赤くなっていた。



 そこから適当に雑談をして、しばらくたって店をでた。

「今日はありがとね。また明日も話しかけてもいい?」

 likeでも人に好かれるのは嬉しいな、、

「うん、そうしてくれると僕もうれしいよ」

「ほんと!?やったー!」

 今大事なことに気づいた。送らないと!!

 今日は遊んでもらったんだし、それくらいしないとまずいよね。

「今日はこんなに遊んでもらったんだし、家か駅まで送るよ。」

「いいの?じゃあ、、、家まででもいい?」

 咲さんは嬉しそうにそう言ってきた。

「家はどこらへんなの?」

「電車に乗って10分くらいかな?」

うん。割と遠い。けど発言には責任を持ちます。男に二言はないのでね!

「じゃあいこっか」

「うん」

僕たちが歩き出すと前から騒がしい集団がやってきた。

僕はその人たちを認識すると、心臓が痛くなりこの間のことを思い出した。

そう。あの不良集団だったのだ









お久しぶりです。

とさかです。

本当に更新が遅くなってしまいごめんなさい!!!

いろんな事情が立て込んでしまい遅くなりました。

次回から最低週一で更新します!!!!!

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ツンデレと根暗。どうせ僕なんて、、 →とさか(元緑茶) @ryokuchaan

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