愛をみつけた

　王国キルギオンのスラム街にて、ダリアは女剣士として生きていた。
　ある日、ともに暮らしていた母親が病死するとキルギオン国王が身元を引き受けにやってくる。ダリアはこのとき、母が国王に捨てられた女で、自分がその子どもだったことを知った。死ぬ最後まで国王を憎んだ母のために復讐を誓うダリアだったが、ただの死では生温いと踏みとどまる。

　この男が、最も絶望することは何か。
　そこでダリアは国王の一人娘で腹違いの姉妹でもあるアイシア・クリュフの存在に思い至る。彼女の死は父親として国王として、最大の嘆きであるに違いない。
　アイシアを殺すために、王国の中枢へと飛び込んだダリアだったが、政略結婚の道具にされては意味がない。そこでダリアは愛人の子という事実を盾に国家軍へ入隊を希望する。彼女にとって唯一でき…続きを読む