第19話 生徒会役員室での聴取
男子をいじめた疑いで私は生徒会の聖奈さんに連れていかれた。
「あなたが有名な柏野 美優さんね、始めまして。」
恋歌が年下になったから、この世界で面識が無いのか…。
「私はあなたの事をいっぱい知っていますよ?聖奈、お姉さま。」
親しみを込めて話すと…。
「二年生で一番の美少女に言い寄られるのも悪くないわ。でも、男子と付き合う、あなたはそっちの人じゃ無いでしょ?」
不気味な笑みをしている。(聖奈スマイルを見せてきた。)
その笑みで確信した…、
「ああ、この世界の私は変態扱いですからね。性欲モンスターのあなたはどうなんですか?生徒会長は、男性との性行為は好きですか?」
あなたはどの世界でもヤバい性欲をしていましたよね…。
すると性欲が強い彼女は、
「大好きよ…みんなも私たちみたいに禁断の果実を楽しめば良いのにね?」
この人は変わらないな~。
私は性交目的では無いので、
「あなたと一緒にしないでね。でも、私に協力しない?」
この人は仲間にした方がいい。リーダーシップの塊、だからね。
「あら、何か面白い事をするの?」彼女が聞いてきたので、
「恋歌を…彼女の中にいる美優を起こしてこの世界をひっくり返すの。」
私は嘘は付かない、あの女とは違って正々堂々と戦うの。
「面白い事を言うわね…、美優はあなたじゃないの?」
彼女が興味を示したので、このあと、私は包み隠さず話した。
すべての話を聞いた彼女は、
「私が信じる…と、でも思っているんですか?」
「聖奈お姉さまは私の頼りなるもう一人の姉です。だから、私と悟くんとお姉さまで、もう一人の姉、美優お姉ちゃんを取り戻す。それが私…この世界…こんな世界にしてしまった者の責任なんです!」
私は絶対に逃げない!あの恋歌お姉さまの体を勝手に使う悪魔から、
優しい美優お姉ちゃんを救ってみせるんだ!
「美優ちゃん。お姉ちゃんに任せなさい。私もあなたと同じ、嘘をつく人間が大嫌いなの…。」
そうだった…聖奈お姉さまは誰よりも嘘が嫌いだった。その信念を貫いて、お兄ちゃんと結婚まで行った唯一の相手でしたね…。
「で、具体的にどうするの?」聖奈さんに聞かれたので、
「もう一人の私を探すの…ただ、恋歌に見つかるとすべてが台無しになる。あの女の頭は良い、超天才の悪魔、平気で嘘をつく、平気で人を操るの…。」
私の動きが恋歌にバレるのはまずい…。彼女が美優と一緒の年齢にしたのは恐らく私を監視するため…。
「分かったわ、あまり私たちは接触をしない方が良さそうね…。佐藤くん、伝達を頼むわね?」聖奈さんがそう話すと、
「了解しました、桜庭会長。」
佐藤さんはどこの世界でも、聖奈さんの右腕だった。
「佐藤くんは味方よ、だって…私の性交相手だもの、ね?」
あ~、お姉さまは変態でしたね。
「はい。もちろんです。桜庭会長。」
無表情で答えていて逆に怖いよ、佐藤さん。
聖奈さんは味方になり、あとは、一年の誰が私だったか?を探さないといけない。でも、恋歌にバレてはダメだからね。それに私の予測が正しければ、向こうから私に接触してくるはずだ。
私が思考しながら歩いていると、
「美優、どこに行ってたんだよ!探したよ?」悟くんが走ってきた。
「ゴメンね、男の子がいじめられていたので助けていたから、時間が掛かっちゃった。」本当の事を話した。
「優しいね、美優。」彼は安堵しているようだった。
「悟くん、帰ろっか…。」私は彼の手を取り、私たちの家に帰ることにした。
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