第14話 美優の企みとは?

 恋歌お姉さまの過去改変の力で入れ替わりのすべて忘れたお兄ちゃんと美優お姉さま。最初からすべてを覚えているのは、私だけとなった。

 だから、私の兄は私を本物の幼馴染の美優だと思っている。それから、美優お姉さまの体は普通の女子高生だが、頭脳は天才だった。私の体よりも頭が冴えてくる。


 その頭脳を使い、私の体で暴走する純(恋歌)を倒した。美優お姉さまから見る景色は世界が違う。ただ頭がいいなんてモノじゃない、この体は。超天才なのだ。柏野姉妹の頭脳は別次元だ。


 朝倉家に帰った私はお兄ちゃんと仲良く夜ごはんを作っていた。

「美優は優しくなったな、別人みたいだよ。」兄が言って来るので、


「今の私が一番好きでしょ?」と言うと、


「うん。一番好き…。」と素直に答えていた。

(美優お姉さまはお兄ちゃんが好きすぎて、昔からあの謎の行動ばかりしていたんだ。)

恋愛も拗らせると大変だな、シンプルに好きと言えばいいだけなのに…。


しばらくすると生徒会の仕事を終えた純(恋歌)が帰ってきた。

「ただいま。お兄ちゃん、美優さん。」

 私が完全に打ち負かし、牙を折られた彼女は大人しくなっていた。


最初は妹に怯えていた兄も私が𠮟りつけたと言うと、納得していた。

「料理を作るのを手伝います。」彼女は手伝いを自分から申し出た。


 彼女は美優お姉さまとは違って悪知恵が働かないから楽だった。

(私の体だから、根はすごく真面目だな。最初は全員、制御できないから仕方ないよね。)

女性で私の体だった、兄は常に感情に振り回されていた。

男性の体になった、美優お姉さまは男の性欲を制御できず、妹に手を出すまで存在を地に堕としてしまった。

 そして、恋歌お姉さまは私の体で秘めた野望を実行しようと、暴走した。


(待って…魔王、恋歌の体を手にしたアイツは何をする?)

 あれが、あの最低、最悪の美優お姉さまが恋歌の体でやる暴走を私は考えていた…、違う、私はいつも騙されていた…あの変態は冷静な振りをして悪事を働くつもりだ。問題はあれ(美優)が何をするかが分からないことだ。


ここは、

「純ちゃん、ちょっと来て…。」純(恋歌)を呼んだ。


「何か用ですか?美優さん。」

 彼女は私の手に落ちたが、あれ(美優)が恋歌の体で何をするかを聞いてみた。


すると猫を被っていた彼女が答えてくれた。

「私はお前に屈したからな、素直に答えてやろう。」

「アイツがもし、私の体をフルに使いこなせるのなら世界を転覆させて来るぞ。」

 彼女の答えは想像を超えていて、具体性がなかった。


「私もお前もハメられたな、アイツは最初から、この入れ替わりを企んでいた。まず、私を純の体にぶち込み無力化させて、自分は恋歌の体を手に入れた。力を使いこなせない、お前は美優の体のままにした。」

 ハメるなんて、美優お姉さまは何をするつもりなの?


「恋歌お姉さまの改変の力を邪魔をしたのは、美優お姉さまだった。そして、兄を元に戻して、力を増幅剤に使うつもりだ。」

 うちの兄はただの許嫁ではない、前に聞いたことがある。お嬢様の美優が一般人の兄と許嫁の理由。それは、二人(兄と姉)の組み合わせが力の増幅に作用する。

恋歌さんの学校での暴走すら、読んで行動していた?姉に理由を聞かないと。


「私、実家に帰って、美優お姉さまに問いただします!」と話すと、


「私も行こう。」純(恋歌)が答えた。


「俺も行くよ。さっきの話を聞いていた。俺はアイツを説得する。」

 話を聞いていた兄が付いてくると言った。


「みんなで行こう。美優お姉さまが何をしたいのか、聞いてみよう。」


 夜も更けたのだが、姉がやりたいことを聞きに柏野家へ向かった。

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