3章 変わっていく世界、元凶の登場

第11話 恋歌は基本、キレてる

恋歌お姉さまのお陰で、

ぶっ壊れた美優お姉さまとお兄ちゃんの自我は元に戻った。


でも、その代償は女子三人の入れ替わりが新たに発生をした。

私は変わらず美優お姉さまの体。

美優お姉さまは恋歌お姉さまに、

恋歌お姉さまは私(純)になってしまった。


そして朝になり、

「私は大学にいかないといけない。恋歌お姉ちゃんによろしく伝えてくれ。」

 (やっぱり違う…美優お姉さまなら、まずは恋歌の体を楽しむはずだ。)


 そう話すと恋歌お姉さまの体になった美優は朝早く、家を出ていった。


私は、朝倉家に向かった。(お兄ちゃん、大丈夫かな?)

朝倉家に着くと、

「おい!悟吏!何をノロノロして朝食を作っている!早くしろ!」

 お兄ちゃんは純(恋歌)に怒鳴り散らされていた。


「お前は妹の私に恥を掻かすのか!さっさとしろ!」

 お兄ちゃん、ほぼ、奴隷扱いだよ…。


怒鳴られている所に入ると、

「恋歌お姉さま、おはようございます。」私が挨拶すると、


「お前の目はどうなっている!私は純だ!間違えるな!」

 私まで…怒られた…。(パワハラだよ。)


 自分の体に戻って嬉しいはずの兄は、

パワハラ妹に朝からずっと怒鳴られて泣いている。


「おい!美優!この役立たずの兄を手伝え!」

 恋歌お姉さまは超怖い、私に変貌していた。


お弁当作りを手伝っていると泣いているお兄ちゃんに、

「美優!今すぐ同棲してくれ!俺一人ではあの純の相手は務まらない。」

 朝、僅かの時間のあいだで兄の心はすでに折れていた。


「いくぞ!お前たち!」純(恋歌)は先頭を切って歩く。

 私になった恋歌お姉さまは背筋を伸ばして歩いていた。


「美優。いますぐ結婚してくれ。」お兄ちゃんは泣いている。

(私はあのパワハラ義妹がいる所には嫁ぎたくないよ。)


 何があったのかな?お兄ちゃんに聞いていると、私たちが入れ替わった、昨日からずっと怒られていたらしい…。寝る前に勉強をさせられて問題が解けずに分からないと話すと、ブチ切れられて解けるまで寝るな!って言われたらしい。朝も五時起きで一時間、筋力トレーニングをして、一時間の勉強後、朝ごはんとお弁当作り、それが間に合わず、またキレられたと言うことらしい。


(どこかの軍隊の朝なの?美優お姉さまが変態であれ…なのは、ほとんど恋歌お姉さまのせい?)


「おい!何をのんびり歩いている!グズグズするな!お前たち!」

 恋歌お姉さまは常に機嫌が良くない。


そのイライラしている、純の電話が鳴った、

「純ちゃん…早く来てって言ったよね。生徒会をサボるなんて…。」

 聖奈さんが怒って掛けてきたのだが、


「聖奈!貴様!私に向かって、その口の利きかたはなんだ!今すぐそっちに行って、その生意気な口を閉じてやる!覚悟しろ!」彼女は逆ギレした。


あの~今のあなたは高1の純ですよ?三年生の聖奈会長に向かってその態度は…。


 ヤバそうなので付いていくと、校門前でブチ切れた聖奈さんが立っていた。

「純ちゃん…。君一年生だよね。上級生にそんな態度を取るのはおかしいよね?」

 あ~あ、怒ったよ、聖奈さん。もうダメだ。


「お前に生徒会のすべてを叩き込んだのは誰だ?その私にそんな態度を取る、お前のほうがおかしいだろうが!」

 止めて、これ以上、私の全てを壊さないで、恋歌お姉さま。


「ごめんなさい!聖奈さん!この純ちゃんは恋歌お姉さまなの!」

 私が事情を話して、言い争いを止めると、


「恋歌先輩なんですか?本当に?」それを聞いて目をうるうるしている。


「見てくれで騙されるとはまだまだ未熟だな…。聖奈。」


「恋歌先輩~会いたかったです。」聖奈さんが抱き付こうしたら、


「寄るな、私を殺す気か?」恋歌お姉さま…酷いな、扱いが。


私、お兄ちゃん、恋歌お姉さまはポンコツ聖奈をよく知っている三人だ。

だから、危険性がよく分かるのだ。でも、この絡みは懐かしい。


「聖奈さん、私はそう言う緩い所、好きですよ?」

 笑顔で聖奈さんに微笑むと…。


その姿を見ていた恋歌お姉さまは、

「美優、やはりお前は私の自慢の妹だ。聖奈、次の会長は美優にしろ!」

 (えっ?なんで?)


「先輩…分かりました。美優ちゃん、今日から生徒会役員ね。先輩も手伝ってくれませんかね。妹の教育係として…。」

 勝手に話を進めてるし…。生徒会は強引な組織?


「妹の教育か面白い、手伝ってやろう、聖奈。」私の体でやりたい放題の

 もう一人姉は、私の意見を完全に無視して乗り気だった。


 私の意見も聞かずにこの二人は私を生徒会役員にしてしまいました。

 美優お姉さまの姉は、違う意味でヤバい人だった。

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