第7話 記憶の復元方法

困ったな、マジで…。

私と記憶を失ったお兄ちゃんはどうするか考えていた…。

ぶっ倒れた、バカはほっといて、これからどうするかを相談した。


「ごめんなさい。本当に覚えていないんです。だから、あなたを美優お姉さまとお呼びしてもいいですか?」元お兄ちゃんの私に言われたので、


「いいよ。私もややこしいからね。」私はしばらく美優になることにした。


「美優お姉さまはどうされるのですか?」聞かれたので、


「恋歌お姉さまに聞くよ。人体現象に関しては私より詳しいからね。」

 もう戻れないかも知れないけど、襲われたショックで記憶が一時喪失している可能性もあるからね。


「学校に行こうか、純ちゃん。」

 私は自分になってしまった兄を連れて学校に行った。


 恋歌お姉さまには事態の経緯を連絡しておいた。あとは、私、美優の中にある能力を発動出来るようにしておき、記憶が戻り次第、試す、だけだろう。


「この美優お姉さま…優しいし、頼りになるし、めちゃくちゃ好き。」

 まさか、自分になつかれるとは、ね。


 一応、お兄ちゃんの体のお姉さまにも伝えておこう。それから、今日から朝倉家に泊まろう。私の妹はあの変態を殺しかねない。


教室まで行くと静香さんが声をかけてきて、

「美優さん、聖奈お姉ちゃんが呼んでいたわ、昼休みに生徒会役員室へ来て欲しいそうよ。」

 聖奈さん、なんの用だろう…。


「分かった。ありがとう、静香さん。」私が答えると、


「緩さが無くて聞き分けがいい、美優さんとは前よりも仲良くなれそうだわ。」

 新生の美優(私)はなかなか身内受けがいい。男子ウケはしないけど…。


 私は美優お姉さまの体で真面目を貫いて通すことが記憶を失わない最善の方法。授業もちゃんと受けるし、友達にもきちんと接する。


「真面目な美優はかわいいよね。」

 静香さん以外のお姉さまの友人はすでに新生美優の虜になっている。


 お兄ちゃんは流されやすい性格で優柔不断だから、襲われたショックで私の体に吞まれてしまった。美優お姉さまが異性の体に吞まれないのは、自分(男性の体)を満喫しているからだ。


 記憶の復元方法は恐らく、その体を楽しむ事かな?私は美優お姉さま(美少女)になれて楽しい。つまり、私の体になって得したり、このままでいたいと思わせないといけないのだ。

(私の体は運動神経が抜群なの、戦うことが何よりも楽しいから、男ならめちゃくちゃ強い私の体を気に入ってくれるはず…。)


昼休みになり、生徒会長の聖奈さんの所にいた。

「あっ、来てくれたのね。美優ちゃん。」彼女は微笑んでいた。

(この笑顔にみんな騙されるんだよ。中身は天然のポンコツなのに。)


「私に用ってなんですか?聖奈さん。」用件を聞くと、


「美優ちゃんは生徒会、私の後任をする気はない?」

 それか、聖奈さんは今の私なら勤まると考えたのかな?でも、


「私より後任に相応しい人物がいますよ。ほら、来ました。」

 私は妹をあらかじめに呼んでおいた。


「美優お姉さま、どうして生徒会室に呼び出したのですか?」

 この子と聖奈会長を戦わせると面白いモノが見れそうだ…。


「純ちゃん、聖奈会長は強いよ?負けたら来期の生徒会の会長をしてもらうね?いい、これは姉からの命令です。勝てばいいんですよ。」


「えっ、いいの?勝ったらこの子を好きにしても…。」

 聖奈会長は意外とやる気になっていた。


「美優お姉さま!勝手な事を言わないでください。あなたはそんなことをする人じゃないと思っていたのに…。」

 私の無茶ぶりにかなり怒っている。


私は耳元で囁いた、

「私はあなたよ?強い相手と戦いたい気持ちは抑えられないでしょ?目の前の生徒会長は恐らく…、世界最強よ?」

 あなたは強い相手が好きだもの戦うよね?もちろん。


「やります!私より強い相手なんてこの世には存在しませんから!」

 私の妹は生徒会長と戦う事を決めたらしい。(よし!掛かった!)


「じゃあ~、放課後に道場で会いましょうね?朝倉 純ちゃん。」

 聖奈さんはなぜか?戦う事を了承してくれている…。



 放課後に最強女子決定戦の開催が決まった。

(私も戦いたいけど、美優お姉さまの体は弱いからな~。残念だよ。)







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