Column6 「明日は休ませていただきます」について

 今回は職場で聞いたことがあるかもしれない、「~させていただきます」の使い方です。


     ☆


 ――明日は休ませていただきます。


 仕事を休むため上司に許可を取るとき、皆さんはどう言うでしょうか。

 もし上記の例文のような言い方をしている場合は注意が必要です。定型文のようになっているのかもしれませんが、この場面で本来言い放つのは不適切であるため、「明日は休ませていただけませんか」という言い方を使う方が良いです。


 それは次のことが理由です。菊地康人氏の『敬語』より下記に引用いたします。


「本当に相手の許可を得ることが必要な場面では(中略)『……(さ)せてください』と頼む形をとるべきである。とりわけ、許可されるのが当然というわけでもないことを頼む場合は、『……(さ)せていただきたいのですが、よろしいでしょうか』『……(さ)せていただけないでしょうか』なとど、相手の意向を尋ねる形をとるべきである」


 つまり「休ませていただきます」としてしまうと、「させていただきます」の用法の二つ目(Column1参照)にあった「相手の意向などを全く考慮せずに、一方的に私がすることを宣言します」に当てはまってしまいます。これは「実家に帰らせていただきます」と同じです。

 そのため、本来は「明日はお休みをいただけないでしょうか」とか「お休みをいただきたいのですが、よろしいでしょうか」と尋ねるといいということですね。


 ちなみに、すでに上司の許可を得て、朝礼等で周囲に自分が明日休むことを周知する場合は「明日はお休みをいただきますので、よろしくお願いいたします」や「明日はお休みいたしますので、よろしくお願いいたします」とすると良いと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る