「了解いたしました」は不適切か?

Column1 「了解いたしました」について

 今回は「了解いたしました」という敬語の使い方について、取り上げてみようと思います。


     ☆


 ——了解いたしました。


 今回は「了解いたしました」について取り上げます。


 もしかすると使ったことがある方のなかには、「それは敬語ではないよ」「目上の人に使うのは失礼だ」と言われた方もいるかもしれません。しかし「了解いたしました」は敬語として問題のない言い方です。

 辞書で「了解」という項目をを引いてみると、下記のようなことが記載されています。


*****

【了解】『明鏡国語辞典 第三版』

❶物事の意味・内容。事情などを理解すること。

❷理解した上で承認すること。承認・承諾すること。

<使い方>

依頼や申し入れを受け入れることに力点を置く場合は「承知」を、内容や敬意をきちんと理解したことに力点を置く場合は「了解」を使うのが適切。「了解しました」という言い方で敬意が足りないと感じるときは、「了解いたしました」という丁重な言い方をする。

(❸もあるが、今回は省略しています)

*****


 上記の<使い方>を読んで分かる通り、「承知」と「了解」については意味がことなることが分かります。そのため、相手とのやり取りで「承知」よりも「了解」が当てはまる場合もあることでしょう。そうなったとき、「了解しました」もしくは「了解いたしました」と使うことは間違いではありません。


「了解しました」「了解いたしました」が不適切と言われるようになったのは、2011年に出版されたある敬語関係の書籍によるようですが、この話の詳しい説明はリンクを張っておきますので、気になる方は参照してみて下さい。読めばきっと納得いくことでしょう。


【参考URL】

*「了解しました」より「承知しました」が適切とされる理由と、その普及過程について(菊池良氏)

https://liginc.co.jp/246919


*『NIHONGO』でも簡単に紹介しています。

https://kakuyomu.jp/works/16816452220696164341/episodes/16816927859640309203 


 

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