第11話




(週明け)



妹「……」カキカキ


妹「……」カキカキ



ガラッ



クラスメイトA「ご、ごめん妹さん! 遅くなっちゃった」バタバタ


妹「あ、でも、わたしもう日誌とか取ってきたから大丈夫だよ」


クラスメイトA「ああ……でもごめんほんとに」


妹「いいっていいって。昨日も部活忙しかったんでしょ?」


クラスメイトA「まあ……」


妹「わたし部活入ってないから土日の疲れとかないし、朝早く起きるの好きだから、ぜんぜん気にしなくていいよ」


クラスメイトA「でも、」


妹「明日からもわたしがやっとくからさ、朝練そのまま出てても大丈夫」


クラスメイトA「……えっ、いいの?」


妹「途中で抜けるのキツいって前に言ってたじゃん」


クラスメイトA「よく覚えてるね……、ありがとう」





妹「上の方消すの手伝うよ」


クラスメイトB「……え、でも悪いよ」


妹「いいよーぜんぜん。あの先生無駄に筆圧濃いから消しづらそーだし」


クラスメイトB「……うん、ありがと」


妹「わたしも黒板消すのたまにやろっかな」


クラスメイトB「妹さんは、黒板消しやすそう」


妹「なにいってるのー、いつもすごく綺麗に消してくれてるじゃん」


クラスメイトB「……あ、え……、その、見てたんだ」


妹「わりとね」


クラスメイトB「……」カァァァ





友「──へぇ、じゃあ土日は姉先生の家でずっと遊んでたの?」


妹「うん」


友「ほんと仲良いねー……」


妹「ありがとう」ニパー


友「姉先生って人気あるから羨ましー──や、でも妹も妹でそうかも? なのかな?」


妹「どういうこと」


友「んー、なんでもなっしんぐ」


妹「友ちゃんは、何かあったの?」


友「土日?」


妹「うん」


友「わたしは知り合いの人と遊んでたよ」


妹「あー、このまえ言ってた気になってる人?」


友「そんな話したっけ?」


妹「うん。先々週くらいに、マックで」


友「意外と覚えてるのね……」


妹「で、その……お知り合いさん? と何して遊んだの?」


友「カフェでしゃべってー、本屋に一緒に行ってー、ラウワン行ってー」


妹「たのしそ」


友「いーでしょ」ドヤ


妹「わたしも友ちゃんとラウワン行きたい」


友「そっちかい」


妹「ボーリング苦手だけどね」


友「わたしも苦手だ」


妹「でもたのしい」


友「わかる」


友「てか、妹が誘えば誰でも行ってくれると思うけど」


妹「行きたい人と行かないと意味ないでしょ」


友「……んー、妹はお誘い断りまくってるからね」


妹「そんなことないと思うよ」


友「一回くらい遊んであげればいいのに」


妹「誰かを断って誰かは受けたらおかしいじゃん」


友「わたしはいいのか」


妹「友ちゃんは別枠」


友「…………なるほどー胃が痛むわぁー」


妹「どうして?」


友「どうしてだろうね」


妹「なにそれ」


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