第33話:ドール

「あっ、ああっ!」


 杞柳さんが胸をいたぶりながら片方を吸ったので声が出てしまった。でも、彼はそれを求めている。だからオレは彼の前では安心してドールになれるのだ。


「はん、もうこんなにカウパー出てら。欲求不満だったのか?」

「べ、別に……」

「じゃあおまえが淫乱なだけだな」

「はぁっ!!」


 彼がオレのものを強く握りゆっくりと手を上下させだす。オレは眼を閉じる。まぶたの裏に様々な色彩が狂ったように飛んだ。


 片手はそのままに、杞柳さんの手がオレのデニムと下着を下ろし、舌だけ胸の先をねぶりながら両手で尻と性器の両方を刺激し始めた。


「あぁあん! はぁ、あ、あ、ああっ!!」

「もっと鳴けよ。指、欲しいか?」


 オレは快感に全ての感情や意識を溶かしながら首を縦に振った。


「ちゃんと言えよ、いおい」

「んっ……! ほ、欲しいです——!!」


 すると一気に杞柳さんの指がオレの中に侵入してきた。ごつごつして太い指が、オレの中を掻き回す。


「あぁっ! あぁん! もっと、もっとぉ!!」

「指一本でこんだけ腰振ってるよ。もう俺のが欲しいだろ?」


 言って、杞柳さんは指を抜きオレの胸の両方の先端を擦った。オレはまたはしたない声をあげる。

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