第5話 帰宅
「はぁ……疲れた」
下校途中に夕食の買い物もついでに済ませ、アパートの部屋へと帰ってきた俺。
ある程度
机に
米が炊き上がるまで、ベッドに寝転がり、物思いにふける。実家から引っ越して数日……交通手段の少なさや学校の授業の進行度など、色々と悩まされることが多い。
そんな中でも、今日会ったあいつ。なにかにつけて俺にかまってくるが、ああいう奴が一番苦手だ。なにかしら思惑があるのかもしれないが、
(いや、よそう)
あれはきっと環境が悪すぎたんだ。どいつもこいつも、俺の不幸を喜ぶ奴らだったんだ。そんな奴らを見返す為にも、俺は俺のやり方で一流大学へ進学してやる。そして一流企業へ就職して、誰も俺を馬鹿にできないような人生を送ってやるんだ。
『ピーピー』
ご飯が炊き上がったようだ。俺はレトルトのカレーを温め、インスタントスープと共にそれを食べる。食べ
一人暮らしになったメリットがあるとすれば、家族のことなど、しがらみを何も気にせず勉強に取り掛かる点だろう。生活費や塾の費用、家賃などは親が仕送りで面倒を見てくれる。なにより都会から離れたことで、夜はとても静かだ。これなら心置きなく勉強に集中できる。
こうして、少し不足していた今日の分、いつもより多めに参考書を進め、本日の勉強を終える。
(明日からどういう高校生活になるのだろうか)
まさか歓迎までしてもらえるとは……。
教師も言っていたように、あからさまに悪い奴がいないことはわかった。あとはいかに自分のペースを守ってこの2年間を過ごせるかどうかだ。
(とりあえず遅刻みたいな悪目立ちするようなことは避けねば)
今日あったことを教訓とし、本日は就寝した。
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