田原総一朗、長を説得する

 ツユアは、一時期は世界を征服しかけたこともある巨大な国らしい。ツユアに攻められた国はたくさんあり、共栄主義陣営の最大の敵と言ってもいいだろう。ツユアの長は「ロチンダアー」というらしい。当然、独裁体制を築く者だ。


「ツユアがなぜ攻めてきたのですか?!」

「まずな、リツハンキュウとツユアが結んだ条約の一つに『どちらかの国が戦闘状態の場合は、機を見て参戦する』というものがあるからだ。そんで、ツユアが参戦してきた。やつらは、カラスムギの五分の二を制圧した」


「マズいじゃないですか!!!!」

ここは、いつカラスムギが負けてもいいところだ。これ以上戦闘が続けば、カラスムギは隣接するリツハンキュウ、ツユア、リビリアリビに分配され、国が消えてしまうだろう。当然、長は処刑される確率が高い。


「私に、策があります」

「ほう、話してみろ」

「戦争を止めることです」

「だから無理だと言っているだろう」

「理由を話してください」


「だから、我々の抵抗の意味がなくなる。共栄の立場が一段と落ちてしまうのだぞ?ここで、降伏すれば負けたようなもんだ」

「降伏はしません。和解します」

「和解だとぉー?!?!」

長の大声が響いた。


「それでは、問いますが、このまま戦い続けても、勝算はあるのですか?」

「ある。リツハンキュウ相手にここまで善戦したわが軍だ」

「でも、そこまで善戦した疲労が残って勝てるのですか?」

「ううむ。だが、我々は、アコカメ、ギリスバコト、ドナチド、ツチルコドから武器の支援を受けているからだ」

「今、技術的に相手国の方が有利です。さらに、カラスムギは資金も少なくなっているのではないでしょうか?」

「うぅむ・・・・・全くその通りだ。だが、このまま和解だと我は」


「ご心配はいりません。一つ、良い方法があります」

「何だ」

「このまま和解すればこちら側が不利です。だから、ツユアの主要都市、アシツユモスを爆撃します。犠牲は出したくないので、無人機を複数使います。民間人を巻き込まないために・・・・・」

「『これからツユアでの世界大戦がはじまる。そうすれば、君たちの命はない』とか言って、脅す。そして、民間人を退避させる」

最後に、口臭さんの息子がまとめてくれた。

「そして、最終交渉です。交渉はお任せください」

「むぅ・・・・・分かった。考えておこう」

これは、ワンチャン行けると思った。

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