夏と冬と
夏と冬と
夫の作業服は
仕事と言う名の
闘いへ行く
甲冑だ
信長
秀吉
家康
否
真田信繁が
お気に入り
黒田官兵衛も
好きらしい
甲冑は暑苦しい
今年は猛暑で
どこにもエアコンがない
規定で長袖必須だ
幾分か
半袖薄地
涼しくなる黒い長袖
上に会社の名入りを羽織る
季節はやがて冬を問う
寒いよな
暖房なんてないものな
厚地の長袖をしっかり着こむ
お給料は
日給月給制
会社の都合で
仕事がなくなっても減る
手当てはほぼない
有給なんて
涼しい零細企業は
縁がない
税金も
各所に必ず払いますからと
高額医療費も
必ず払いますからと
光熱費のやり繰りを
私にさせないのは
背負ってくれているから
ママは子どものお金だけ
夏は
扇風機と薄着対策
冬は
節約暖房と厚着対策
思えば
ふたりのこれまでにしても
贅沢はなかった
それでも別つことなかった
夏が燃え
冬が凍え倒れようとも
或る日の台詞で
背筋が痺れた
借金がなくなったよ
いすみ静江
絵画館の詩〔連載🍊〕 いすみ 静江 @uhi_cna
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