第5話  恐るべし子どもたち!

 バタンとドアの音がした。

トトトトト…

見覚えのある固まりが、裕太目掛けて突進してくる。

(あっ、ジュンペイ?)

 よかった!

 オバサンの言う通り、1人じゃなかったんだぁ~

裕太は一気に、肩の力が抜けた。


 ジュンペイの背後には、知らないオジサンが立っている。

目付きの鋭い、かなり体のデッカイオジサンだ。

(ボディービルダー?)

なに?

「えっ」

思わず裕太は声をもらす。

(やっぱり、オバサン…マフィアの一味?極道の姉御?)

やっぱり固まる裕太だ。


「失礼します!サキア様。

 迷子を1人、確保しました」

 やたらとガタイのいい男の人が、直立不動で立っていた。

(今度はなんだ?)

「あらあら~」

女の人は、目を細めて、その人とジュンペイを見比べている。

「ミスター、どうもありがとう」

彼女が声をかけると

「はっ!」と言うと、さっと引き下がった。


 迷子になっていただと?

裕太は呆れた顔になる。

大体、こんな初めて来た場所で、いきなり飛び出して行くか?

じろじろとジュンペイを見つめる。

「このオジサン、だれ?」

だが口にしたのは、全く別の言葉だ。

「さぁ?」

迷子になっていたとは、とても思えないくらい、涼しい顔をして、

ジュンペイは肩をすくめる。

「この人はね、私のボディーガード兼運転手よ」

サキアは子供たちに、答える。

「ボディーガード?」

「なんで?」

2人は口々に、甲高い声を上げて、目をむいた。

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