第8話 始動

家に帰っても動悸が収まらなかったので自分の部屋でゴロ寝した。安静にしておくのが一番だ。病院に行っても異常なしで精神科で薬をもらうだけなのが辛いところだった。薬はこれ以上増やしたくないので見つけたのが安静にしておいてある程度落ち着いたらクラシック音楽を聞くというものだった。田中と会うのは怖かったが散歩は続けた。


次の通院日までにネット副業を始めようと思い、クラウドソーシングサイトのクラウドワークスに登録した。クラウドワークスではプログラミングの単価が高い方だった。プロフィールに職歴を書くと依頼をとりやすかったようだった。


今までやってきたことは無駄ではなかった。


自信にもつながった。

「田中には、これで勝てるだろうな。」

田中の仕事はトラック運送業か何かだろう。体育系の人間ほど文科系の人間の努力がわからないものだった。中学時代に嫌というほど知らされたことだった。1カ月で30万円稼ぐことができた。

小夜子にラインで報告した。

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