朝食をとってもまだイライラしていた。頭の中を小夜子のことがグルグルまわっていた。

「田中か。」

しかし田中は勉強は苦手だったはず何の仕事をしているのだろう。東京でit関係の仕事をしていた僕の方が女性から人気がありそうなものだが。仕事で見返すにはネット副業しかない。ネット副業で成功するためには体調を整えるしかない。

それで朝散歩をした。毎日の日課だった。朝散歩というのは樺沢先生の動画や本を見て実行していることだった。

僕は近所を歩いた。スマホには移動ポイ活アプリのトリマをインストールしていた。このおかげで余計、散歩する習慣がついた。散歩をしていると大通りに出た。トラックが来た。しかしスピードが遅かった。遅いトラックだなと運転手の方に視線を向けると田中だった。向こうも僕に気付いているようで軽く睨んできた。トラックは通り過ぎていったが、あれは間違いない田中だ。僕は背中に汗をかいているのを感じた。中学時代、成績がいいからと僕は田中にいじめられていたのだった。脈が強くなっていた。動悸もした。運動したからではない。田中とあったからだ。僕は背中の汗が運動のものだけではないことをはっきりと自覚していた。