第5話 2人の行動と2人の秘密

それから数ヶ月を過ぎた、ある日の事。



「ねえ、彼女、何してんの?」



一人の男の人が、声をかけてきた。


しかし、その視線の先には声をかけてきた人含む二人の男の人がいた。


いわゆるナンパだ。



「1人?誰かと待ち合わせ?」

「一人だよ」

「ねえ、出掛けない?」

「…どうしようかな…?」

「良いじゃん!」


「じゃあ楽しませてくれる?」

「勿論!」



二人は顔を見合わせコソコソと話しをし、ニヤリと笑ったのが分かった。


グイッと肩を抱き寄せられる。


明らかに体目的なのが分かった。


私もわざと、肌の露出度高めの洋服を着ていたのもある。




「スタイル良いね!」

「そうかな?」

「そういう洋服を着こなすのって凄いって。何かスッゲーそそるんだけど」


「…じゃあ…相手してあげようか?」


「えっ…?」

「マジで言ってる?」

「さあ?どうかな〜?」




その姿を偶然、瑞 零次が見掛けた。




「零次君、どうかした?」と、女の子。

「えっ…?いや」



すると、女の子は首に手を回し、キスをした。



「案外、大胆だね」

「私だけ見て…」




彼女は熱っぽい目で、俺を見つめる。


しかし、彼女は俺の彼女ではない。


逆ナンパされて妙に色目をつかってくる女だった。


自分の体を見せつけたり、体をくっつけては俺の反応を見ている。


俺はそれに応えるだけ。


彼女が更に、その気になるように。


お互い、体だけの関係。


愛なんてない。


近付く奴は、ほとんど体を欲しがっているのだから。


 


ある日の放課後。


私達クラス委員は雑用していた。



「なあ」

「何?」

「いつか、俺とHして♪」

「は?いきなり何?」

「この前、男といるの見掛けたから」

「あー…ナンパされたからね」

「スッゲーエロい格好してたろ?お前」


「そうみたいだね。そそる!だって!本当、男って頭ん中、そればっかなんだろうね。洋服だけで、そんな気分になるって欲求の塊だよね」


「…お前…もっと自分大切にしたら?そのうち、痛い目に遭うぞ!」


「過去に痛い目に遭ったの私なのに?…まあ…そのうち妊娠とかしちゃうかもね…そんな男に捕まらない事を祈るわ!」




「………………」



「つーか…あんたとHは、一生出来ないと思うよ」

「何でだよ!」

「だって…どれだけキスした仲でも…体の関係持つのは…」






抵抗ある。


同級生だから?


クラスメイトだから?


違う……


きっと今の仲が壊れるから?


それとも…




「何だよ!」


「何でもない!」


「はあっ!?」




「………………」



「とにかく無理!私が相手しなくても、あんたにはセフレいるでしょう?」


「セフレって…いや…友花ちゃんとする方が燃えそう」


「…勝手に言ってなよ!絶対無理だし、相手にしてやんないよ〜。残念でした〜」


「うわ〜、感じ悪!」




私達は騒いでいた。





そして、ある日の事。


私は、用事で街に出た。


今日は目立つ事はしたくない為、地味目な自分で街に出たのだ。


こんな私には、誰一人と見向きもしない。



そんな中、瑞 零次が女の子といる所を見掛けた。




「彼女…かな?」



そして、その日1日、何度も見掛け、女の子は、その度に変わっていた。




「…どんだけいんの?」





しかし、彼の正体が何となく分かった気がした。

   

















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