第6話

 同人誌の販売会は都会のごった返す波より激しく怒涛の波、津波だ。いかに自分に気に入ったものと出会えるかの戦場でもある。何度もあれどそれと出会えるかはこの1回きり、毎回が違う販売会。人がより集まる。

 そんな会場だから人と人がぶつかることは多いが、意気投合することはないかもしれない?。一匹と1人の若い爽やかな男性が肩同士ぶつかってしまう。男性の収集物が、いくつかの紙袋がどさっと床に。すみませんと一匹はぎちぎちのなか、ただならぬなにかの利点を生かして素早く拾いあげると自分の推しの同人誌を目にした。本日人気で買えなかった先着限定もの。ぜひ見たいなぁ〜。なんて男性にそれらを渡すときに思うとあのお礼させてくださいと声掛けられた。

 『いや、自分のせいですし』

男でも少し高めの声でことわると、

 『販売会で人とぶつかるのはたくさんあるし、拾ってくれたから助かったんだ。』

と言いまるめられて後で決めた販売会場、インデックス大阪の出たところ、コスプレヤーとファンや追っかけにカメラマンのひしめきを抜けた先。4時ごろに集合することになった。

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