感受性豊か…ってキツくない?

【なんにも関係ない。なんにも出来ない。それでも苦しい。】


私、結構影響を受けやすいタイプで。

小説、ドラマ、ニュース。色々な媒体から得られる感情や情報を、全部受け止めすぎてしまう。それに最近気付いた。


創られた物語に、自分が何かできるわけじゃない。どんなに素敵な内容でも、どんなに残酷な内容でも。その場で感情を揺さぶられて、ときにそれが自分の人生の一部になって。そうやって飲み込んでいくことが、本来の楽しみ方だと思う。そんなことわかっている。

だけど私の場合、それを一時で終わらせられないのだ。その背景をずっと考えてしまう。それが苦しい感情であればあるほど。切り取られる物語の裏を勝手に想像して、勝手に傷付いて。このとき主人公はどんな気持ちだっただろう…この人は何を思っていた…、って考えだしたらキリがない。一日中、いや、次の日もその次の日も。


偶然テレビを付けたら感動的なシーンを放送していたとき、つられて泣いていたりする。前後関係も分からないのに、その場の感情に惹き込まれて。もはや感受性とかそんな美しいものじゃない。あえて汚い言い方をすると、バカだ。感情迷子。涙腺故障。自分でも意味がわからない。


物騒な事件、悲しいニュース。聞きたくもない単語が飛び交う現代社会。自然と入ってくる情報に心をぐちゃぐちゃにされる。そこから目を逸らしてはいけない気がして、苦しいのに全部を知ろうとする。そして当たり前に苦しさが増す。

「そんな人は情報から離れた方がいい」と、ニュース番組でも注意喚起されていた。わかっている。だけど、勝手に背負いたくなるのだ。現実に起こったことを、なかったことにしたくない。生きているものとして、向き合う義務があると思ってしまうのだ。そしてついつい、情報収集してしまう。心をズタズタにしてしまう。ほらね、バカだ。


自分はこんなんだけど、私はあえて言う。

ちゃんと離れて。誰かを頼って。あなたまで苦しむなんて、きっと間違っている。

向き合うことと、そのために自分を犠牲にすることは違う。

大丈夫。私達はここに生きている。生きていく。

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世界は霧の中に隠れて掴めない 早福依千架 @Fuku_kitare

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