第3話 エーメの手紙とジョゼフィーヌ

手紙の宛名はエーメ・デュビュク・ド・リヴェリ

 

修道院の寄宿舎からエーメからの手紙を受け取った その手はしなやかで綺麗な手

「うふふ、エーメは大人しくて真面目だから、お堅い修道院でも元気みたいね

あの美しい私の従姉 金髪の愛らしい天使」


姉妹のような従姉からの手紙を読みながら、微笑を浮かべるジョゼフィーヌ

彼女の名前はジョゼフィーヌ

マリー・ジョゼフ・ローズ・タシェ・ド・ラ・パジュリ


裕福とは言い難い貴族のパリジュリ家

しかもフランス本国の影響の余波で家の事業も難しくなっていた

西インド諸島の

フランス領の島で生まれて、今は少女時代を過ごしている。


エキゾチックな綺麗な美貌に艶やかな栗毛の髪

初々しき美しさと若さ

間もなく16歳の年齢を迎えようとしていた。

「今晩のパーテイでは素敵な人と出会いたいのに

また、あのアレクサンドルは来るのかしら?

身分は子爵か‥父は彼との結婚に乗り気だけど 気が進まない」


アレクサンドル・ド・ボアルネ子爵

彼との婚姻 最初の夫である


そうして部屋の棚には如何にか手に入れたパリの絵ハガキが幾枚も飾ってあった

それに部屋のクローゼットには

貴族に相応しいドレス

頼み込んで購入した輸入品でもある本場パリの素敵なドレスに靴なども沢山あった

「パリの社交界 憧れてしまうわね」



やがて未来に社交界の花形の一人になる運命が待っている

出会いが待っている



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