第10話 白衣の天使
〜数日後……
竜也は、特に身体の以上が見受けられない状態の為、一人部屋から四人部屋へと移動になった。その間に……日替わりで美穂と雫が部屋に来たり、琴美や薫が入れ替わりで来たりとしていた為、病室の他の男性達から目の敵にされていた。
〜診察日
診察室で担当医に症状を診て貰った竜也は医師に大丈夫だね……と太鼓判を押される。
「まあ……特に問題は無いみたいだし、これからしばらくの間は通院として様子見をしようか」
そう言われて竜也は担当医に挨拶をして診察室を出ようとする、その時に直美が側に寄り
「彼を病室まで送ります」
直美は竜也を連れて一緒に診察室を出る。
「あ……あの、1人で大丈夫ですが……」
「静かに、こっちへ来て」
竜也は直美に連れられて、院内の人気の無い廊下を歩いて行く。そして、そのうちの小さな室内に直美は竜也を連れ込む。
竜也は室内を見渡す、部屋の中はベッドが置かれていて2〜3人間性が寝泊まり出来るスペースが施されていた。
ふと……直美を見ると彼女はドアの出入り口前に立っている。
「すみませんが……病室に戻りたいので、良いでしょうか?」
「ダメよ、貴方は今から私が満足するまで相手になってもらいます」
「そんな……」
直美はポケットに入っていたカードキーを取り出して、出入り口にある。オートロックのコード読み取り機に通すと出入り口のドアノブはガチャっとロックが掛かり、直美がドアノブにロックが掛かったのを竜也の前で見せる。
「これで、誰も入ってこれ無いわ、勿論貴方も出れ無いわ」
「どうすれば良いのですか?」
「決まっているでしょ、男性と女性が二人だけになったら、する事は決まっているでしょ?私が満足出来たら貴方を解放してあげる」
「その……もし満足出来無い場合は?」
「そしたら退院した後、貴方を私のマンションに連れ込み、毎日貴方を調教させるわ」
「そんな……」
「怖がらなくても大丈夫よ、私が貴方を優しくしてあげるから……」
そう言って直美竜也を押し倒してキスをする。
竜也は直美にキスされて何も変化が起きない事に驚いた。
「フフフ……もしかして、変化が起きない事に驚いてる?」
「え……何で知っているの?」
「知るも何も、全て私達が貴方の身体を調べていたのよ」
「どう言う事なの?ちょっと意味が分からないよ」
「貴方に接近した少女達が、まさか何も知らないで、貴方とキスしたなんて……思ってはいないでしょうね?彼女達が、貴方とプレイしたのは、全て私達が……貴方と、どう接吻すれば貴方が覚醒するのか、調べて……彼女達に情報を与えたおかげなのよ」
それを聞いて竜也は身震いした。これまで美穂、薫、雫、琴美が自分と接した事は、直美が企てた事だと知り恐ろしくなった。
「な……何で、て……言うか、どうやって調べたの?」
「簡単よ、ナースは四六時中患者に変化無いか、調べに回っているでしょ?その時、こっそり貴方の部屋に潜り込めば……ウフフ……」
竜也はゾクっと震え上がった、まさか自分の知らない所で、自分の体を隈なく弄ばれていた事実に驚愕した。
「フフ……今だから言うけど……貴方が、まだ昏睡状態だった時にね、私達は貴方の身体を弄り……じゃなくて、キッチリ調べたのよ」
それを聞いて驚いた、白衣の天使でも夜這いみたいな事はするのだ……と怖くなった。
「目が覚めて、身体の調子が回復したら時間を見て貴方とプレイしようと思っていたのよ、でもね……貴方と接した子が健康になって行くのを見て、以前から私達の間でも身体が健康になっているのに気付き、病で入院している少女達にね、彼とキスする様に教えたのよ。それも……キスする時に陰部を触りながらすると、貴方が覚醒するって彼女達に教えたのよ」
一連の出来事は分かった。しかし……それ以上に現在の窮地を何とか脱したいと竜也は思った。
「じゃあ…未成年者と性的関係を持った事を警察とかに報告するの?」
「貴方を失わせたりはしないわよ。それにね……ウチの病院は、貴方に対して特例を施してあるのよ」
「え……特例?」
「もう退院だから言うけど……貴方が院内で、職員や患者等と何時何処で性行為しても決して咎め無い……と言う、特例が院内で決定されているの。だから……相手が未成年者でも大丈夫なの。最初に貴方に伝えて、少女達をオカズにされるのもイヤだから言わなかったけどね……」
直美の言葉を聞いて竜也は少し安心したが……ふと、気になるものが一つあった。
「僕に対して何で特例施されているの?」
「貴方の身体には神秘的なモノが備わっていて、それは貴方と性行為した相手に影響が出るの……実際美穂ちゃんなんか難病だったのに退院出来るまで健康になったし……琴美ちゃんなんて不治の病だったし……。薫ちゃんも少し前と比べて健康になって来ているわ。だから……貴方が誰と性行為しても咎めない特例が施してあるのよ」
「そうだったんだ……」
竜也は愛想笑いする。
「だからって……」
直美が上に跨り竜也を見下ろす。
「可愛い女の子ばかり相手にする様だったら私が貴方を許さないからね」
「はい……」
正直、竜也は早くこの状況から逃げ出したかった。
「じゃあ……続きを楽しみましょうか?」
そう言った直後、ポケットに入れて置いた直美のスマホが鳴り出す。
「はい、私です……はい、分かりました」
少し残念そうに直美はスマホを切る。
「お呼び出しが来たから……今日は、この辺にしましょう」
「また、後で貴方の病室に行くわ」
そう言って直美は軽く手を振って足早に廊下を歩いて行く。
1人残った竜也は病室まで戻る。明日退院なので荷物を纏めなければ……と思い病室に戻る。
ふと……病室に入ると、自分のベッドがある近くのイスに誰か座って待っている姿があった。
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