KAC20229 “猫の手を借りた結果”


「猫田家には、不思議な『力』を持った子供が生まれることがある」



 ――そんな答えが返ってきた――



そのときに、どんな質問をしたのか詳しくは覚えてはおりませんが、


あらゆる情報を網羅もうらしていると思えた、彼の千里眼


 紅ショウガが、関東に あまり見かけない時代、

猫田さんの発想の根源が気になって、訊ねた事がありました



 彼は、冗談めかしく「おいは、猫と会話ができるとよ」と言う



 ◇



「会話ですか? それは、すごいですね」


「だろ? 三毛猫だろうが灰猫だろうが、海外からの種だろうが、

 なぜか、成り立っちまう」


「はっはっはっ。本当なら、英語を覚えなくて済みそうですね」

「イギリスだろうが、ドイツだろうが、アラビアだろうが―――、

 おいに 掛かれば、いちころよ!」


 猫田さんは 豪快に笑う


 この人の笑顔は、妙に人懐っこい



 ◇



 吾人がメジャーリーグで活躍し、日本に帰国した年に、猫田さんと再会した日


 ――あのときは、焼き鳥をメインにした居酒屋でしたね



「 江戸ノ龍? 」



「そう、それ! おいは、日本ひのもと相撲協会で力士ば、しとったんよ」

「へぇ。それは、スゴイですねぇ。


 四股しこ名?と云うんでしたっけ?

 海外が長かったもので、発音、おぼつか無いですが…」



「おう、っとる当っとる。日本で、1番の強者を目指しとった頃だわ」

「最強、という ヤツ ですか?」


 吾人がそう訊ねると、猫田さんはますに入った日本酒を、くいっと、飲み干した


「覚えとるか? おいが、猫と会話できると言ったことを?」

「えぇ、覚えていますよ。もう30年以上も前のことですね……」


「おぅおぅ! 覚えとったか!

 おいはな。その力で、政界の首領ドンにまで のし上がってやったぞ」


「What's? ホントですか?」

「あぁ。お前さんがアッチで活躍しとる間によ。メジャーリーガーさん」



 その言葉、その仕草に。吾人は心から熱い“何か”が込み上げてくるのを感じました



鉄 心 石 腸 てっしんせきちょうという、日本語を知ってるか?

 石や鉄のように、どんなことにも動じない強い意志の例え、なんだが―――」



 ◇



  猫田家の墓石をそっとぜる……



「不思議ですね。ふたりで話している頃は気が付きませんでしたが、

 いまに思えば、猫田さんの方言がいろいろと混ぜっていたのは……、



 猫の手を借りた結果、なんでしょうかね」



 しんしんと 降り注ぐ雨の中、


 火葬場で見送った猫田さんの寝顔が、ふと笑ったようでした―――





 まさか――


こんな老いぼれた2人が、あのような事件に巻き込まれてしまうとは……


苦労なんぞ、したくはなかったのですがねぇ……





〇作者のひとりごと〇


今回の『テーマ』は、流石に驚きました。。。



「「「「「…は?!」」」」」



て、っくらい謎な『キーワード』でした


そりゃ、もう。配信4日で停止した『〇ァイナルソード』を思わせるくらいに――


完全版で2週目以降に使用可能となるエルフ娘に、

父親が目も合わせずに「息子」と言い続けるくらいに――


どうしようもない、よね? これは…………


「猫の手を借りたい シチュエーション」なら まだしも、、、『結果』って……


とりあえず、上位ランカーを順に読んでみましたが、



「「「「「…はっ?!」」」」」



て、内容の話ばかりで 参考になりませんでした


こうなったら、「猫田さんを 猫の手を借りて 復活させてやろうか?」とか?


わりと、頭がぶっ壊れそうな『テーマ』でした(笑)

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