第5話  【BLACK EDGE 其の5 術師】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第5話

 【BLACK EDGE 其の5 術師】





 ブラッドに殴られた仮面の男は殴られた衝撃で吹っ飛ぶが、壁にぶつかりそうになると、壁に吸収されるように溶けて壁の中へと入って消えた。




「術師か」




 ブラッドは警戒して、フェアを自分に近づける。




 仮面の男は壁の中に消えた。それは今だけのことではない。

 仮面の男が現れた時。奴は何もないところから、水から出るように這い上がってきたのだ。




 なんらかの能力を使っている。




 その能力がなんなのかはまだ分からないが、姿を消したことからかなり危険な状況なのがわかる。




 ブラッドが警戒していると、ブラッドの足元の地面が波を出し始める。

 それは地面が水のように揺れている。




 これは危険だと気づいたブラッドがフェアを連れてこの場から離れようとする。しかし、すでに時は遅く。




 地面から仮面の男が飛び出してきた。




 仮面の男は剣を振り上げて、ブラッドに攻撃を仕掛けてきた。




 ブラッドは避けていたことで直撃は避けたが攻撃が摩ってしまう。




「……このやろう!!」




 ブラッドは仮面の男に殴りかかる。しかし、ブラッドの拳が届く前に、仮面の男は壁に体をつけるとそのまま壁の中に消えていく。




「なんの能力だ……」




 ブラッドが攻撃しようとしても、敵は姿を消して逃げてしまう。ブラッドに敵を追うことはできない。




 だが、今の攻撃で分かったことが一つある。




「攻撃は姿を現さないとできないってことだな」




 仮面の男は攻撃のタイミングには必ず姿を表す。つまりは姿を消したままでは攻撃ができないということだ。




 それにもう一つ。仮面の男は壁や地面から現れる。逃げる時には必ず何か必要ということだ。




 詳しい条件はわからない。だが、この狭い路地では確実に不利になるだろう。




「フェア、場所を変えるぞ」




 ブラッドはフェアを抱き抱える。フェアの背中に手を回して、お姫様抱っこでフェアを連れて走り出す。




 フェアは大人しくブラッドに抱っこされると、ブラッドの方を見上げて、




「どこに逃げるの?」




 と聞いた。ブラッドは走りながらのため、フェアの方を向くことはできないが一度だけ目線を向けた後、




「もう少し見晴らしの良い場所で戦う。奴の能力が分からない以上、あのまま戦うのは不利だ」




 走って良い場所を探すブラッドに、フェアは、




「逃げないの?」




 と問う。しかし、ブラッドは、





「逃げてどうこうなる相手じゃない。またいつ襲われるかわかんないからな。今のうちに潰しておいた方がいい」




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