第4話  【BLACK EDGE 其の4 襲撃者】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第4話

 【BLACK EDGE 其の4 襲撃者】





 仮面の男は剣を持ち構えた。男の剣は普通の剣よりも短い。

 マントのように大きな服を着ているため、男の体格がわからない。




 暗殺者。




「このガキを殺しに来たってことか」




 ブラッドはフェアの頭をグリグリと撫でる。かなり強く撫でているため、普通なら嫌がりそうなものだが、フェアは大人しく撫でられていた。




 仮面の男の姿は黒いマントのように大きなフードをかぶっており、中のサイズがわからない。仮面は白く、顔のマークが描かれている。

 持っている剣は短いが、かなり鋭く磨がれている。




 ブラッドを見た仮面の男は、




「……貴様は……そうか…………」




 ブラッドを見て何か知っているようだった。




 仮面の男は剣を構えて、ブラッドに向ける。




「邪魔をするなら貴様は殺す。私はその子供の捕獲命令しか受けていない」




「ほう、大事な試験体を殺してでも手に入れたい、このガキ…………少し興味が出るな」




 ブラッドはフェアに「お前はここにいろ」そう言って仮面の男の前に出る。




「何をする気?」




 フェアは心配そうに聞いた。




 ブラッドは右手で左手を包むと、骨を鳴らす。




「こいつをボコして情報を得る」




 ボコすと言われた仮面の男は失笑する。





「俺をボコす? 冗談を……」




 仮面の男は剣をブラッドに向けた。




「…………っ!?」




 次の瞬間、気がつくとすでにブラッドは仮面の男の懐にいた。




 ブラッドは左手で仮面の男の腹を殴る。




 しっかりと手応えはあり、仮面の男は殴られた衝撃で吹っ飛ぶ。




 吹っ飛ぶ先には壁がある。このまま壁にぶつかるかと思ったが、仮面の男は壁に当たると姿を消した。




「…………ッち、術師か」




 ブラッドは仮面の男の動きを見て、舌打ちをしながらそう言った。




「フェア、俺から離れるな」




 ブラッドはフェアを肩を掴んで引き寄せた。




 術師とは不思議な力を使う存在だ。




 この世界には魔法は存在しない。だが、それに近い力が存在する。それが術式を使用した魔法に近い特殊能力。




 だが、その力は一般的には広がっていない。




 その力を使えるのは特殊組織に所属する幹部のみ。その組織は術式を研究し、魔術を考慮する。




 魔術師の集団。




 その名をグリモワール。




 全ての元凶はその組織にある。そしてその組織にいるあいつが…………。






 燃える家。火事の中俺はあいつと出会った。




 紫色のフードを被った仮面の男。奴は黒いフードの仲間を何人も連れて、俺の前に現れたのだ。




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