第20話 熱燗

 江戸時代の人は、お酒は、つねに熱燗を飲んでいました。

 夏でも、熱燗です(笑)


 江戸時代の本を読んでいると、季節は夏なのに、

『酒をあっためて、待っててくれ!』

 などというセリフが出てくるので、びっくりしてしまいます。



 1500年代に来日したルイス・風呂椅子……すいません、変換が……フロイスが書き記していますが、その頃から日本人はみな、お酒を熱燗で飲んでいたようです。


 平安鎌倉時代は、どうかと言いますと、「夏は冷や、冬は熱燗」と、今と変わらなかったようです。

 ですので、「年中熱燗」という習俗は、中世後半に発生し、近世までつづいた習俗だったということです。


 ちょっと、不思議ですよね。



 どういう理由でそうなったのか、と考えていた時に、テレビで、桂米二師匠の『替り目』という落語を観たのですが、


「悪い酒でも、燗がよかったら、おいしく呑める」


「ええ酒でも、燗が悪かったら、ワヤになる」


「燗がよかったら、(呑んだ時に)どこへもひっかからんと、すーっと入ってくれる」


 ……というセリフが出てきました。

 それを観て、「呑みにくい安酒を、呑みやすくするために」年中熱燗文化が生まれたのかなぁ……と、思いました。


 

 江戸時代の気分を味わいたい方は、夏に熱燗!


 ……ぜひ、やってみてください(笑)

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