31点目 「雑誌、表で置くか、裏で置くか」 【4/19(火)】

 いやー、昨日はちょっと重めのお話になったので、今日は軽めにまた低俗なものを。

 繰り返しになりますが、節目だろうと空気を読まないのがタカハシという人間なのです(笑)

 さっき過去のお話見返していたら、20点目はゴ◯の話してたんですね。いやー、我ながらぶれないですねー。

 今日はその20点目をさっき読んでいて思いついたお話をしましょうかね。

 実はもうそのお話の中で少し登場してるんですが、今日のお話はお客様がお買い上げになられた雑誌について。せっかくですから、今日はサキちゃんにもご登場頂くことにしましょうかね。

 これもまた、とある深夜のこと。

 私とサキちゃんは、それぞれレジでお客様の対応をさせて頂いておりました。

 お客様の波が引いて、店内にいらした最後のお客様をお見送りした直後。これで少し一息つけるなぁと思った矢先───。

 「タカハシ君ってさ、」

 (!?)

 さっきまで隣のレジにいたはずのサキちゃんが、なぜか私のすぐ横に。

 「いきなり現れないでよ。ビックリするじゃん」

 「私を妖怪みたいに言わないでよ!」

 「いきなり現れるからでしょ。で、何か言いかけてたけど、」

 「あー、雑誌裏側にしてお渡しするんだなぁって」

 確かに私は、このすぐ前にお会計にいらしたお客様に、雑誌を表紙を下にしてお渡ししてました。

 「あーあれね。お客様が裏返しにしてお持ちになったから、そのままお渡ししたよ」

 「どーせ水着のお姉さんが出てるよーな雑誌でしょ」

 「ヤ◯ジャンか何かだった気がする」

 「グラビア載ってるやつ?」

 「さぁ。俺はそういうの読まないからよくわかんない」

 「タカハシ君はグラビアなんかよりan〇nの表紙のイケメン見てる人だもんねー」

 「そうそう、さっきも雑誌コーナーチラ見して…、ってちがーう!」

 「おっ、自らノリツッコミとは珍しい」

 「いや、合ってんだけどさ。an〇nとTar〇anの表紙にイケメン載ってたら必ずチェックしてるし」

 「仕事中に前通った時チラ見するのやめなさいよ」

 「いいじゃん。手に取って立ち読みしてるわけじゃないんだし。歩きながらチラッと一瞬見るぐらい」

 「はぁー、もうダメだこの人」

 サキちゃん、何があってもアンタにだけは言われたくないよ(笑)

 「んな言い方ないでしょうよ。で、雑誌裏に置くのが…、って話だっけ」

 「そそ。私はキチンと表紙がよく見えるようにお渡しするから」

 そう言って笑うサキちゃんはめっちゃ悪い顔をしてます。

 「アンタいつか刺されるよ」

 「いやー、やっぱりお客様がお買い上げになられたお品物はキチンと全部表向きにしてお返しするのが正解でしょ」

 「いや、それはそうだけど、時と場合ってのがあるでしょ。お客様が表向けてお持ちになられたら別だけど、俺は裏向きにしてお持ちになられた雑誌をひっくり返してお渡ししたりはしないよ」

 「そんなに恥ずかしいならコンビニで買うなって話でしょ」

 「あーのねぇ」

 「だってそうじゃない?」

 「まぁ理屈はそうかもしれないけど……。あなたメイトでBL買う時同じことされてもいいの?」

 「うん。全然気にしないよ」

 そう言ってサキちゃんはケロッとしてます。私の攻撃はノーダメだったみたいです。ダメだ、この人メンタルが鬼強過ぎる(笑)

 「まぁ私はBLジャケ買い派だから、そんな肌色面積多めのBLとか買わないってのはあるかもしれないけど」

 「最近そういうピンクっぽいキラキラ系の表紙のBL増えてきたよねー」

 「あぁ、タカハシ君が好きそうな感じの?」

 「うっさい。と・に・か・く、お仕事中はあまりそういうことしないように」

 「タカハシ君には言われたくないよ」

 う、うぐっ…。

 ダメだ、この人に勝てる気がしない…。

 かくして、その日もタカハシの完全敗北によって論争は幕を下ろすことになりました(笑)

 いやー、いつかサキちゃんがお客様に怒られそうで怖いですね。むしろ一回怒られて反省させた方がいいかもしれませんね(笑)

 さて、今日もこの辺でおしまいにさせて頂きましょうか。

 またのご来店、心よりお待ちしております。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る