振った女が化けて出た

「好きです‼︎私と付き合ってください‼︎」
真っ直ぐな告白をぶつけてきたのは僕の一つ下の後輩、柚木蜜柑。
彼女とは中学の部活で一緒になったことで知り合い、こうして同じ高校の先輩後輩になるまで何かと付き合いのある関係で、
どうやら、僕を追って同じ高校にまでやってくるくらい僕のことを好いてくれているようだ。
でも……
「ごめん、僕には好きな人がいて、蜜柑とは付き合えない……」
申し訳なさでいっぱいになり、声に詰まりながらも彼女からの告白を断った。
僕には好きな人がいる。
一つ上の先輩。
僕自身、その先輩を追ってこの高校を受けた。
「知ってますよ、それでも我慢できなくて、気持ちだけ伝えさせてもらっただけです!」
元気に言っているが、今にも泣き出しそうなくらいの動揺が見て取れる。
「ほんとごめん」
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