第16話

いつも真面目に勉強していたのだから、

ここでは少しくらいダメになっても罰は当たらないだろう。

遊園地をのんびりと歩いた。

勉強は忘れた振りをして。

「あっ、メリーゴーランド」

メリーゴーランドは動かないとモーブが言っていた。

「ちょっと試してみようかな」

好奇心がどんどん抑えられなくなっていた。

自分の手で動かしてみたい。

気が付くとメリーゴーランドの一頭の馬に触れていた。

「あれ、何の絵なんだろ」

中央にある柱は、よく見ると何枚かの絵が張り付けてある。

「うぅ、汚くなってて見えない」

確か、ポケットにハンカチが入っていたはずだ。

「あった、あった」

なんだかハンカチに申し訳ないほどの汚れだが、

まあ、いいだろう、

「あっ、ちょっと見えてきた」

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