ねこみみ人間ガールズの、「ハンバーグを作ろう!」

雨蕗空何(あまぶき・くうか)

ねこみみ人間ガールズの、「ハンバーグを作ろう!」

「猫又スズとー!」


「バステト女神の分霊ジャミーラのー!」


「「昼食ばんざい!!」」ばばーん


「唐突になんか始まったしそれ元ネタがめちゃくちゃ不吉なヤツなんだけど!?」


 十六歳の普通でない高校生、苗宮キウイ、その自宅、台所。

 ちんちくりん幼女のスズと褐色美女のジャミーラは、エプロンをつけて気合いを入れた。


「今日はキウイ、いつもお世話になってるオマエに、スズたちがハンバーグを振る舞ってやるにゃ。

 ぷりちーとせくしーの共演にむせび泣くがいいにゃ」


「いろいろ不安しかないんだけど大丈夫?」


「調理担当はスズとわたくしジャミーラ、ツッコミ担当はダーリンことキウイ君でお送りするわぁ」


「ツッコミって言ったね!? ツッコミ担当って言ったね!?

 食べる担当じゃなくツッコミ担当として呼ばれてるんならもうマトモに料理する気ないよね!?」


「まずはおいしそうなひき肉を用意するにゃ」


「ねぇマジで大丈夫!? そのひき肉って食べてもいいヤツ!?」


「心配しなくていいわよぉダーリン、ちゃんと絶品のお肉を用意したわぁ」


「町猫番長スズの猫脈じんみゃくを使って、猫まっしぐらのおいしい肉を集めたにゃ」


「猫基準の絶品ってネから始まる三文字の動物じゃないよね!?」


「まずはひき肉に味付けをするにゃ、おぼろろろろろ」


「嘔吐!! 嘔吐ーッ!!

 スズが毛玉にいろいろ封印する能力があるのは知ってるけど、それを直にぶち込むのは絵面とか諸々の問題でやめてー!!」


「次はお肉をこねるわぁ、サモン・ピラミッド!」ドスンドスン!


「ピラミッド召喚ー!!

 ひき肉こねるためだけに台所にピラミッドを召喚しないでー!!

 肉どころか台所ごとミンチなんだけどー!?」


「そしてこちらに完成品が用意してあるにゃ」


「そこまでやっといてその肉使わんのかい!!」


「ちなみに完成品の調理担当は、アブちゃんとハンサミィよぉ」


「完成品をメンズ二人に丸投げしやがった!!

 でも食べるにあたってその方が安心できるのが悲しい!!」


「仕上げのケチャップは、スズが手ずからかけてやるにゃ」


「まあ、そのくらいなら……安心だしうれしいかな」


「おぼろろろろろろろろろ」


「だから嘔吐!! 嘔吐ーッ!!

 せめて毛玉の封印を吐き出す前に解かないで!?

 口からケチャップ大洪水で絵面が!! 絵面がーッ!!」


 ハンバーグはおいしかったです。

 ガールズたち調理の大惨事の方も、ねこみみ人間たちが責任持って食べました。

 ちなみに、猫の体に害がないよう、タマネギは不使用です。よかったね。


「めでたしめでたし、だにゃ」


「めでたいかなぁ!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ねこみみ人間ガールズの、「ハンバーグを作ろう!」 雨蕗空何(あまぶき・くうか) @k_icker

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ