ある日のこと 21

ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。


『カクヨーム王国』では、それぞれのカクヨムさんたちが、それぞれの本屋さんを持っている。その本屋さんでは、なんとその店主のカクヨムさん達が書いたお話のアトラクションに、無料で参加できるのであーる。


さて、では本日も、いつもの和響わおんとやらを覗いてみるとするか。


――うひょー!めっちゃ人違いをしてしまった!


どうやら、昨日の近況カフェに届いたお手紙を読んで、びっくりしている様子。どうしたというのだろうか、このまま覗き見していこう。


――えっと、えっと、まずはこのカクヨムさんの本屋さんへ行って確認してこないと!


「黒須友香さんの本屋さんへレッツゴー!https://kakuyomu.jp/users/kurosutomoka


とっても便利な妄想世界。いつものように、あっという間に黒須友香さんの本屋さんの前である。ここは現代シティと、現代ファンタジーシティの中間くらいにあるようだ。あたりではなんだかスパイのような人たちが相手を探り合っている様子。時折見える不思議な光景、あれは、超常現象の一種なんだろうか。


――なかなか面白そうな街並みだな。そうか、黒須友香さんがユーモラスなエッセンスをお持ちだから、こんなにワクワクする街並みなんだ。そして、今いるこの本屋さんは、ど、……どっからどう見ても温泉施設やーん! え? なんで? 謎謎!? 温泉施設って、あれだよね? 裸でお風呂入るやつだよね!? 実はわたし、温泉マニアで子供ができる前は日本全国の秘湯巡りをしていたんだよねぇ。これはぜひとも入ってみなくては!


「では早速! 黒須友香さんお邪魔しまぁす!」


と、和響は楽しそうに言いながら、真っ赤な大きな字で「ゆ」と書いてあるのれんをくぐる。いつの間にか、手には黄色の風呂桶に手拭いを持っているようだ。全く便利な妄想世界。このままひと風呂浴びてこようとでもいうのだろうか。大丈夫なのか? その中年おばさんが裸になるシーンを書いてしまっても?


――おお! これはリアルな温泉施設。ふんふん、あそこが休憩室ね、でもって、あそこが女湯ね! こりゃ風呂上がりにビールだな!


やる気満々である。早速フロントで、黒須友香さんの妄想アトラクション、【温泉施設のキミョーな来訪客  作者:黒須友香 https://kakuyomu.jp/works/1177354054890021719 】を受け取って、そのまま女湯へと向かっていった。ここから先は、ジャンル的には熟女な感じのR指定脱衣シーンが始まるので、そこはすっ飛ばしてみていこう。


何やら和響は湯船に浸かりながら、「ですよねー!」 を連発し、温泉を楽しんだ後、大爆笑しながら女湯から出てきた様子。


――はぁぁ。超楽しかった! 最近こういう施設あんまり来てないから、コロナも気にせず入れて良かったなぁ。しかし、最後のNG集のところに、最近の我が家があんまり入ってなくって良かった! 昔は小さい子ばっかりで、きっとご迷惑をかけてたと思う。そこは反省です! 楽しくて面白くって、最高だったな!


「じゃとりまビールでも飲んで休憩しますか!」


これも迷惑行為だと思うのだが? 大きな声でそういうと、休憩室へと向かっていった。そして、生ビールを注文し、豪快に一気に飲んで、一言。


「うんめぇぇぇ! 最高!」


――それにしても面白いエッセイだったな! そうか、これはあれだもんね! さすがのカクヨムWeb小説短編賞2021中間通過作品! そうそう、このお祝いコメントを書いて、そしたら、


『和響さん、こんにちは。初めまして…ですよね?コメントありがとうございます(^^)』


ってお返事が来て、えええー! 初めましてだった!?!?ってびっくりしちゃったんだよね! いつも呑んでるお兄さんとか、関川さんとかのとこでよくお見かけしていたせいか、気分はもう勝手にはじめましてではなかったという……。


「本当失礼いたしましたー!黒須友香さん!でもそのおかげで仲良くなれて嬉しいですー!」


お客様、声が大きいので、お気をつけくださいと、従業員さんに注意をうける和響。これでは現実ワールドと同じである。


――いけねいけね、独り言が大きすぎた。注意されちゃった♡ てへ♡ でもさ、なんで勘違いしたかには、もう一個理由があるんだよね!実は私の中で、いつも私の妄想日記を読んでくれている、仲良しのカクヨムさんの、黒本聖南さんの名前に見えちゃったてのもあるのだよねぇ、って!待って待って、今よく見たら! ……く、黒しか合ってなーい!?!? やばいな老眼。恐るべし老眼。でもま、いっか♡ おかげでまた好きなカクヨムさんが増えちゃった♡


「そういえば、最近読んでないな! あの超癒されるやつ! いでよ! 黒本聖南さんの、【白熊のいる日常 作者:黒本聖南 https://kakuyomu.jp/works/16816700426648906203】 」


そう和響が大きな声で言うと、休憩室に大きなホログラムが現れた。中では白熊と可愛い女性がわちゃわちゃしている。なんとも平和でほっこりする世界だ。おっとこれでは、また温泉施設の人に大きな声を注意されるかと周りを一瞬気にする和響だったが、その休憩室にいるおばちゃんやおじちゃん、子供たちも、みんなでこのホログラムを見て楽しんでいるようだ。


「はぁ。癒される。悲しいニュースばっかり見て心が苦しい時は、こういうのがいいよね!」


こうして、カクヨーム王国の平和な日常は今日も過ぎていくのであった。早く現実ワールドでも、カクヨーム王国のように、普通の平和な日常が戻ってきて欲しいものだ。


国内では地震、世界では戦争、いろんなことが起きていますが、誰もが普通の平和な毎日をおくれますようにと、そして、戦争や地震でお亡くなりになられた方々への鎮魂の祈りを込めて、



――黙祷。



世界が優しい光に包まれた、戦争のない平和な世界になりますように。

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カクヨーム王国での日常 和響 @kazuchiai

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