ある日のこと 16

ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。


『カクヨーム王国』では、それぞれのカクヨムさんたちが、それぞれの本屋さんを持っている。その本屋さんでは、なんとその店主のカクヨムさん達が書いたお話のアトラクションに、無料で参加できるのであーる。


そんな本日の和響わおんとやらの、まさにさっきを覗いてみることにする。今回はかなり濃密な話になるかもしれないので、途中でう!…む、無理だ! という方は、さくっと飛ばして、最後の黙祷にご参加いただければ嬉しい。では、早速覗いてみよう。何やらカキカキルームで大号泣のようだ。


―― あぁぁぁぁ。もう、涙が止まらんて! もう、もう、明日だれにもこの顔見せれんて! でも、でも、でもぉ………


「もう嫌だ! 戦争で罪のない人たちが傷ついて死んでいくのは嫌だぁ! ううう。なんてことをするんだよぉ。もう嫌なんだよぉ。そんな未来を子供に残したいんじゃないんだよぉ……うわぁぁん! うっぐ、ひっく、うっうっうわあぁぁん……」


大号泣である。マジで。どうやら、本日の占いの館で引いたカードのエネルギーが強すぎて、まだ精神が異空間にあるようだ。確かに、本日のカード『SORROW:悲哀』のメッセージは強かった。何度も引いたことがあるはずなのカードなのに、今日のメッセージの強さは半端なかったはずだ。


――ここ最近、占いの館でひく本日のカードが今の世界状況を映し出してて、マジですごすぎる! 毎回自分の中の自我と切り離してからメッセージを受け取るようにしてるけど、今日のは、本当に、もうどんだけ何回も切り離していても、それしかないくらいのエネルギーだった! 世界中の人の集合意識がもうそれしかないって言ってるように聞こえた。


他のエッセイでも本日は掲載しているので、興味のある方は、『占いの館 〜カードからのメッセージ〜』に行ってみていただきたい。どこから読んでも、目を瞑って一枚引いても、必ず今必要なメッセージがそこにあるはずだ。ん? これは番宣か? と、神視点の私が思うので、そこはリンクを貼らずサクッと流していくことにする。


――そんでもって、英訳してもらう人に子供用の「祈り」を書いてみて欲しいって言われたから、そうだなと書いた「おいのり」のエネルギーもすごかったぁ。もう、これは、これは、妄想主婦の日日是好日日記に一緒にまとめてから寝なくては、私は今日が終われないじゃないかぁぁぁ。洗濯機も回ってるしぃ……ううう。


そんなことを言いながら、そして泣きながら自分のエッセイを一話追加しているようだ。そして、前置きを書いて、また大号泣の様子。


――ううう。もう、もう、祈らずにいらないんだぁぁぁ。あぁ、涙が止まらない。もう無理だ。感情の波が押し寄せてくる。こどもたちの未来を守り、平和な世界を作るのが、私たち先に生まれた大人の役目だと思っています。ずっとずっと、そう思っています。そして、そんな世界になることを諦めず、毎日毎日祈り続けています。うううう……うう…うぇぇぇぇん! もういい加減戦争で人が死ぬとか今時ないやろぉぉ……ううう。


そう言いながらも、今までも毎日どこかの国では内戦があり、子供たちが目の前で親を殺されて、少年兵士となり、戦場へ行って命を落としている国もある、ということを彼女はずっと前から知っている。そして、地雷を埋められて、身体の一部をなくした、罪もない子供たちがいる国もあるということを知っている。なぜなら、そんな国に取材に行ったり、自主映画を作ったりしている人を現実ワールドで知っているから。そして、今、まさに命を狙われて、日常でも最低限の人としか連絡しかとらない、平和を伝えようと活動した愛の人を知っているから、である。


――ロシアの人たちはこんな戦争が嫌だって思っても、それを声を大にしていうことができないんだよぉ。だって捕まっちゃうじゃんかぁ。もう各国の報道機関も、ロシアで新しい法律ができちゃって、きっと伝えられないんだよぉ。ううう。どうしたらいいんだよぉ。もう、こんな誰かの命を奪うなんてことは、生活を、歴史を破壊するなんてことは、エンタメの世界で映画でやればいいじゃんかぁぁぁ! リアルでやるなんて馬鹿すぎるやろぉぉ……う…ううううわぁぁん!


こんなことを書いたとて、読者数が少ないから私は大丈夫。もっと書きたいと思っているらしい。そうだ、どうせ読んでる人が少ないならば、言いたいだけ書いても、いいのかもしれない。


――もうさ、もうさ、もうさ、ニュースを見るたびに、苦しくて悲しくて、いやいかん、悲しいとか、苦しいとか、不安とか、怒りとか、それは闇の勢力のご馳走だから、だから、毎日祈りたいんだぁぁ……あぁぁぁぁぁ! もうどうしたらこの涙が止まるのかぁ……泣きすぎて、明日だれにも会えないじゃないかぁ……引きこもってるから家族以外には合わないけどぉ………ううう……


大号泣である。と、そんな時、スマホの新作通知があったようだ。


――ううう……ぅ。ん? 新作通知……? おいおい、タイトルがえげつないな……でも、世界平和って書いてあるし………


「いでよ! 【快感絶頂レイプマン!~平和への祈り~ 作者:黒羽くろば】

https://kakuyomu.jp/works/16816927861393625630 」


――う、うわぁ! かなりエロいし!タイトルも性被害の方がいる世の中、ありえん!こんなタイトル!で、でも、 なんだ!? このアメコミみたいな感じは!? うんと、うんと、これは、アホなエロいスパイみたいな感じか!?!?えぇ、めっちゃ興味ある! でもって、すんごい泣いてた涙吹っ飛んだ。これは行くしかないな!


まるで、大人のおもちゃでも売ってるかのようなその本屋さんに、足を踏み入れてみるらしい。まさに挑戦者である。


「お邪魔しまーす! もしかして一番乗りかなぁ? 早速妄想アトラクションいっちゃいますよぉ?」


こうして和響とやらは、あっという間に妄想アトラクションを楽しんで、大爆笑し、また黒羽くろばさんの本屋に戻ってきた。


――まさに、性被害の方への理不尽な世界を、ここに書いたんですね!だから、あえてのタイトル!それくらい非人道的ですよね!いまのプーさんは!だからこその!!あえて賛否両論なタイトル!おバカな世界は、めっちゃ今の私を救ってくれたわ! もう最高! ほんまそれな! 気持ちよく性を満たしてたら、しかもそこに愛があったら、戦争なんてできん! もう思いっきり菊の御紋の先を掘られてくださいよ! タイトルはちょっと性被害の方を思うと、私もないなって思うところはめちゃくちゃあるし、いろんな意見があるかもだけど、それくらい人権無視な行為をしてるだろ!って思ってつけたんだと思うくらいの内容だった。コメディで!だから、いろいろ思うが、そこは私は何も言わん! ここは色んなジャンルの国、カクヨーム王国だから!


一体何の話をしているのか。でも、すっかり号泣していた涙はすっかり無くなり、何だか明るくなった様子。それを読んだ人が自分をどう思うかなんてお構いなしに、勢いでレビューを書いて、その大人なえろっぽいエッセンスがあるアメリカンコミックみたいなお店の横につけた。かなりのチャレンジャーである。そして最後に言いたい。性的な暴力行為は、被害者の心、魂の殺人だと。絶対やったらあかん!それくらい、戦争もやったらあかん!


こうして、今日も、平和を祈りながら、彼女のカクヨーム王国での日常は過ぎていくのだった。



もう、ニュースを見ると、自分の心が押し潰されて、壊れてしまいそうな気がする毎日を過ごしている方も多いかもしれませんが、ここはカクヨーム王国。それぞれの感性を否定することなく、尊重できる平和な国です。


どうか、現実ワールドでも、戦争のない平和な世界になりますようにと、祈りを込めて。もうだれも戦争で死んで欲しくないですと、心から祈って、最後に、




――黙祷。



戦争のない世界に早くなりますように。



なのであった。

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